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暴君
「暴君〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暴君の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
いなかった。しかし「教育上の責任」は――殊に生徒を処罰する権利はおのずから彼等を
暴君にした。彼等は彼等の偏見を生徒の心へ種痘する為には如何なる手段をも選ばなかっ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
和国さえ、奴隷の存在を予想しているのは必ずしも偶然ではないのである。
又
暴君を
暴君と呼ぶことは危険だったのに違いない。が、今日は
暴君以外に奴隷を奴隷と呼....
「或る女」より 著者:有島武郎
らいだった。葉子は目でなでたりさすったりするようにして、この大きな子供みたような
暴君の頭から足の先までを見やっていた。ごわっごわっと時々新聞を折り返す音だけが聞....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の明るみにかえし、あわせて万民の悩みを救おうとせらるるのじゃ。紂王はいかに悪虐の
暴君というても、しょせんは唯の人間じゃ。これを亡ぼすのは、さのみむずかしいとは思....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
顔のあとかたも見えなかった。地面は平らかにして美しい小石や砂がまいてあった。その
暴君はむっとした様子で茶室へはいった。しかしそこにはみごとなものが待っていて彼の....
「食魔」より 著者:岡本かの子
た。彼女はくすりと笑った。世間からは傲慢一方の人間に、また自分たち家族に対しては
暴君の良人が、食物に係っているときだけ、温順しく無邪気で子供のようでもある。何と....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
懐き寄り度い心をも押し伏せて、ただ寂しく黙っている。もし相手が無条件を許すならば
暴君と見えるまで情を解き放って心を相手に浸み通らせようとする。とかくに人に対して....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の権力を享有し、お気にめさぬものがあれば、片っ端から之を傷け、殺し、又苦しめる大
暴君、大悪魔、それが汝等の所謂神である。 まことの神は、断じてそんなものではな....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ってしまった。 かの老執事が、この世の中からまったく隠されている高貴な狂夫人の
暴君的な監視人であることは、もう疑う余地もなかった。それにしても、あの鏡はなんで....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
家に暮らしていた。しかし或事情の為に軽率にも父母と同居し出した。同時に又奴隷に、
暴君に、力のない利己主義者に変り出した。…… 前のホテルに帰ったのはもうかれこ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ることができた。彼女が鏡のうちに出て来なくなってから七日目の夕方に、彼は無法な、
暴君的な力をかりるべき準備を整えたのである。 彼はまず部屋の中央にあるものを取....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
はないとも思った。兄も不同意、家来共も進退に迷っているという以上、父がただ一人で
暴君の威を振おうとしても、その計画は容易に運ぶまいとは思うものの、今も侍従のいう....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
相融合するには余りに距離があり過ぎたのが原因であった。公平に見たなら二葉亭の方が
暴君で、細君の方は極めて柔順な奴隷であったろうが、夫婦の間が
暴君と奴隷との関係で....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
なすったし、僕の前の……」と云いかけたが、ぐっと声を太めて、「僕の前の妻は圧制な
暴君のように誤解して仕舞ったのだ」 ここで良人は一寸私の顔を見て、 「しかし、....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
て来て、にこにこ笑いながら中腰を屈めた。これがあの仁王様のような恐しい、楽屋裏の
暴君かと、思わず私は夫人の顔を見て苦笑した。 団長はしきりに小首を傾げて考えて....