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暴悪
「暴悪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暴悪の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
った。猛烈な立ちまわりが、二人のあいだに始まった。
殺しても飽足りないような、
暴悪な憎悪の念が、家を飛出して行く彼女の頭に湧返《わきかえ》っていた。
暫くす....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
の家に至り小婦を見、汝の姑は如何《いかん》と問うと、兎が矢に中《あた》ったように
暴悪だと答う。※陀夷曰く姑の過ちでない、彼の両乳の間および隠密処に黒黶《くろぼく....
「惨事のあと」より 著者:素木しづ
いような男であるが、多くの色情的殺人犯者は型のように、こういう人間である。隠れた
暴悪と残忍性とが、薄い皮一重のやさしさと美しさとで蔽われているのであるから物凄い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
明治の改革には、これがまた有力な動因とはなっているが、表面上、その形勢を見れば、
暴悪の徒を蓄えて、江戸の上下を脅威愚弄した傍若無人ぶりに、腹の立つのも無理のない....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
「が、腑におちぬのは、兄者の御態度だ」 「どこが、どう?」 「かくまでの師直の
暴悪を、兄者は真底では憎んではおられぬように見える。お口では強い返事を使者にいわ....