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暴風
「暴風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暴風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
ら後《のち》の事は、どうも時間の観念が明瞭でない。丈《たけ》の高い高粱が、まるで
暴風雨《あらし》にでも遇ったようにゆすぶれたり、そのゆすぶれている穂の先に、銅《....
「白」より 著者:芥川竜之介
かやま》と槍《やり》ヶ|岳《たけ》との間《あいだ》に途《みち》を失い、かつ過日の
暴風雨に天幕《テント》糧食等を奪われたため、ほとんど死を覚悟していた。然《しか》....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
におい》が、やはりうす甘く立ち罩《こ》めていた。が、素戔嗚の心の中には、まるで大
暴風雨《おおあらし》の天のように、渦巻く疑惑の雲を裂《さ》いて、憤怒《ふんぬ》と....
「或る女」より 著者:有島武郎
たでしょう」
突如としてまたいいようのないさびしさ、哀《かな》しさ、くやしさが
暴風のように襲って来た。また来たと思ってもそれはもうおそかった。砂の上に突っ伏し....
「弓町より」より 著者:石川啄木
―三十度という空気も凍《いて》たような朝が毎日続いた。氷った天、氷った土。一夜の
暴風雪に家々の軒のまったく塞《ふさが》った様《さま》も見た。広く寒い港内にはどこ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、打ち込み打ち込む波濤と戦いながら配縄をたくし上げにかかったけれども、吹き始めた
暴風は一秒ごとに募るばかりで、船頭はやむなく配縄を切って捨てさせなければならなく....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。ティアマートが巨口を開いてマルドゥクを飲もうとしたときに彼はその口と臓腑の中に
暴風を投げ込んだ。その結果としてティアマートは破裂してしまった。ティアマートに従....
「海異記」より 著者:泉鏡花
時鳥。鯨の冬の凄じさは、逆巻き寄する海の牙に、涙に氷る枕を砕いて、泣く児を揺るは
暴風雨ならずや。 母は腕のなゆる時、父は沖なる暗夜の船に、雨と、波と、風と、艪....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
の、よく御存じでおあんなさいましょうのに。 僧都 いや、荒海を切って影を顕すのは
暴風雨の折から。如法たいてい暗夜じゃに因って、見えるのは墓の船に、死骸の蠢く裸体....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
物は衝々と尾を曳く。 この動物は、風の腥い夜に、空を飛んで人を襲うと聞いた……
暴風雨の沖には、海坊主にも化るであろう。 逢魔ヶ時を、慌しく引き返して、旧来た....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
向うで、ぼんやりとした影のように一団をなしていた。もしも雷が鳴り出して、赤い帆に
暴風が吹き付けたらば、船はきっと覆ってしまったかも知れない程に、船上の人間たちは....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、さびしい、なさけない……何が何やら自分にもけじめのない、さまざまの妄念妄想が、
暴風雨のように私の衰えた躰の内をかけめぐって居るのです。それにお恥かしいことには....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
今度は非常な速さで逃げ出しました。畑を越え、牧場を越えて走って行くうち、あたりは
暴風雨になって来て、子家鴨の力では、凌いで行けそうもない様子になりました。やがて....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
らがらりと晴上って、蛇の目の傘を乾かすような月夜になったが、昨夜から今朝へかけて
暴風雨があったので、大川は八|分の出水、当深川の川筋は、縦横曲折至る処、潮、満々....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
をとって帰国するよう命ぜられたので軽率な私は予備役編入と信じ、九月一日大洗海岸で
暴風雨を聴きながら「昭和維新方略」なる短文を草し、満州建国以来同志の主張に基づき....