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曖昧
「曖昧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
曖昧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
講義は一週間に六七時間しか、聴きに行かない。試験は何時《いつ》も、甚《はなは》だ
曖昧《あいまい》な答案を書いて通過する、卒業論文の如《ごと》きは、一週間で怱忙《....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ことはない。実際彼は公衆に向ってこの煮え切らない調和説の背後に、彼の芸術に対する
曖昧《あいまい》な態度を隠そうとしたこともある。
しかし公衆は欺かれても、彼自....
「春」より 著者:芥川竜之介
のとしていた。彼女は一瞬間心の中に昔の「猿《さる》」を髣髴《ほうふつ》しながら、
曖昧《あいまい》に「そうねえ」を繰《く》り返した。が、辰子は「そうねえ」くらいに....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
議にもそれは覚えていない。つれがあるのか、一人なのか、その辺《へん》も同じように
曖昧《あいまい》である。
曖昧と云えば浪の向うも靄《もや》のおりているせいか、....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
京大阪と云うんじゃあるまいし、――」
地理に通じない叔母の返事は、心細いくらい
曖昧《あいまい》だった。それが何故《なぜ》か唐突と、洋一の内に潜んでいたある不安....
「路上」より 著者:芥川竜之介
け》君。」と、手もなく二人を紹介してしまった。
そこで俊助も已《や》むを得ず、
曖昧《あいまい》な微笑を浮べながら、角帽を脱いで黙礼した。が、藤沢は、俊助の世慣....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
然しないような気がしたから、白葡萄酒を嘗《な》め嘗め、「ええ」とか何とか、至極|
曖昧《あいまい》な返事をした。が、老紳士は少しも、こっちの返事などには、注意しな....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
な顔をしながら、
「ええ、確かに渡しました。しかし御返事の所は――」とか何とか、
曖昧《あいまい》に言葉を濁していた。それでも彼は渡したと云う言葉に満足して、その....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
しかし種々の鑑賞を可能にすると云う意味はアナトオル・フランスの云うように、何処か
曖昧《あいまい》に出来ている為、どう云う解釈を加えるのもたやすいと云う意味ではあ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
が来た。畑の上は急に活気だった。市街地にも種物商や肥料商が入込んで、たった一軒の
曖昧屋《ごけや》からは夜ごとに三味線の遠音《とおね》が響くようになった。
仁右....
「星座」より 著者:有島武郎
を覚えた。それは教授に向けられたのか、自分に向けられたのか、はっきりしないような
曖昧なものであったが。
時計台のちょうど下にあたる処にしつらえられた玄関を出た....
「親子」より 著者:有島武郎
が、言葉が少し脇道にそれると、すぐ父からきめつけられた。父は監督の言葉の末にも、
曖昧があったら突っ込もうとするように見えた。白い歯は見せないぞという気持ちが、世....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
0 スウェデンボルクの著述中には概して我々今日の科学者には諒解し難いような晦渋
曖昧な点が甚だ多い。彼は自分の書いていることを十分によく考え尽くしたのではあるま....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の宗教が成り立つか否かという大問題が出現したというのに、日蓮聖人の門下は、歴史が
曖昧で判らない、どれが本当か判らないと言って、みずから慰めています。そういう信者....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
も僕は四五分の後、電話に向わなければならなかった。電話は何度返事をしても、唯何か
曖昧な言葉を繰り返して伝えるばかりだった。が、それはともかくもモオルと聞えたのに....