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「曝し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

曝しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
ざいますから、わたしは今日《きょう》伴《とも》もつれずに、早速一条戻り橋へ、その曝し首を見に参りました。 戻り橋のほとりへ参りますと、もうその首を曝した前には....
道祖問答」より 著者:芥川竜之介
顔を一眄《いちべん》した。 「不肖ながら道命は、あらゆる経文論釈に眼《まなこ》を曝した。凡百《ぼんびゃく》の戒行徳目《かいぎょうとくもく》も修せなんだものはない....
婦系図」より 著者:泉鏡花
だそうだな。恥しくは思わんか、大きな態をしやあがって、薄髯の生えた面を、どこまで曝して歩行いているんだ。」 と火鉢をぐいぐいと揺って。 四十一 ....
三人の双生児」より 著者:海野十三
のたうちまわり、自分でもゾッとするような『海盤車娘』の踊りや、見せたくない素肌を曝したり、ときにはお景物に濁酒くさい村の若者に身体を触らせたりしていました。もち....
雛妓」より 著者:岡本かの子
の得意とも義務ともつかない、しらばくれた態度で姿かたちをわたくしの見検めるままに曝していたが、夏のたそがれ前の斜陽が小学校の板壁に当って、その屈折した光線が、こ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、一方の林泉寺の縛られ地蔵は昔のままに残っています。明治以後は堂を取り払って、雨曝しのようになっていますが、相変らずお花やお線香は絶えないようです」....
断層顔」より 著者:海野十三
ょうか。ただ、徒らにかきまわし、あたくしたちをいらいらさせ、そして世間へいっとき曝しものにするだけのことで、あたくしの求めることは何一つとして得られないのです。....
地獄の使者」より 著者:海野十三
まって、一人として捕りやしませんぜ。その結果われわれは、年中たいへんな悪口の前に曝し者になっていなければならない。おお、やり切れない」 警部の言葉を、帆村はい....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
封を切って、御覧が可かろう。 鯰入 やあ、何と、……それを頼みたいばッかりに恥を曝した世迷言じゃ。……嬉しや、大目に見て下さるかのう。 蟹五郎 もっとも、もっと....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
優い眉の曇ったのは、その黒髪の影である。 「老人、唯今の心地を申さば、炎天に頭を曝し、可恐い雲を一方の空に視て、果てしもない、この野原を、足を焦し、手を焼いて、....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
都をば霞とともに出でしかど……一首を読むのに、あの洒落ものの坊さんが、頭を天日に曝したというのを思出す……「意気な人だ。」とうっかり、あみ棚に預けた夏帽子の下で....
巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
よくする。 はやり唄は場末の家の建壊しの跡などへ手風琴鳴しを一人連れて風の吹き曝しに向って唄い出す。また高いアパルトマンの間の谷底のような狭い露路について忍び....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
る……」 と、いって寂しく微笑んだ。 「人目があります。これでは巡礼して、肌を曝しては、あるかれませんね。ぽっちり薄紅を引きましょうか、……まあ、それだと、乳....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
りかけの地蔵にして、その六地蔵の下座の端へ、もう一個、真桑瓜を横噛りにした処を、曝しものにされて可いのです。――事実、また、瓜を食って渇命をつないでいるのですか....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
放ちました。「まるで枯木が冷え切った岩に倚りかかったようなものさ、寒の真最中吹き曝しの気持ちだ」というわけです。 若い腰元は、試験も済んだので、老婆のところへ....