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「曝す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

曝すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
ないほど残虐を極めたものでした。いわゆる「赤耀館事件」なる有難くない醜名を世間に曝すことになったのです。そして一昨年の春、くわしく言えば六月十日に、折柄来訪して....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
に止まっていた。青竜王に云わせると、探偵は素顔を事件の依頼者の前でも犯人の前でも曝すことをなるべく避けるべきであるという。だから一度雑誌に出た彼の素顔の写真とい....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
も、それ以上の問答も出来ず、帰った。勝家委細の報告を受けて、来春には猿面を獄門に曝すぞと喜んでいたが、こうして秀吉に油断をさせていると思っていた勝家は、逆に秀吉....
反戦文学論」より 著者:黒島伝治
もが、なお安全に、最も悪い泥棒制度を維持しようがためにやっていることを白日の下に曝す必要がある。 吾々の文学はプロレタリアートの全般的な仕事のうちの一分野であ....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
を書かしめて居るのである。 感謝する姿はしおらしくて上品だが、不平がましい面を曝すのは醜くて卑しい。しかし此の思い出も亦自画像のためのスケッチの一つだと考えて....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
も真中に、ズキリと庖丁目を入れた処が、パクリと赤黒い口を開いて、西施の腹の裂目を曝す…… 中から、ずるずると引出した、長々とある百腸を、巻かして、束ねて、ぬる....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
の西洋の気受けが、それは、凄い勢で、どしどし註文が来ました処から、外国まで、恥を曝すんだって、羽をみんな、手足にして、紅いのを縮緬のように唄い囃して、身肌を見せ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
である。山間に住ついて働く人々の中にこういう民謡があったものと見える。「多麻河に曝す手作さらさらに何ぞこの児のここだ愛しき」(巻十四・三三七三)、「高麗錦紐解き....
博物誌」より 著者:岸田国士
を注いで戦いを挑み、空の雄鶏は残らず来いと身構える――しかし、相手は、暴風に面を曝すことさえ恐れないのに、今はただ、微風に戯れながらくるりと向うをむいてしまう。....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
御所家斉公 ある日、紋太郎は吹筒を携え多摩川の方へ出かけて行った。 多摩川に曝す手作りさらさらに何ぞこの女の許多恋しき。こう万葉に詠まれたところのその景色の....
愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
ますと放言したのだ。このみすぼらしい身装を、しかも他人の赤ン坊を抱いて、どうして曝す事が出来よう。 私は思案に余った末、一度宅へ帰る事にした。妻はきっと驚くだ....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
の毛一筋抜けたって、女は生命にかかわります。置きどころもない身体を、あなたの目に曝すんですもの、形も態もありはしません。文学少女とかいうものだって、鬼神に横道な....
山吹」より 著者:泉鏡花
で失せおった。犬も食わねえとはこの事だ。おのれ竜にもなる奴が、前世の業か、死恥を曝すは不便だ。――俺が葬ってやるべえ。だが、蛇塚、猫塚、狐塚よ。塚といえば、これ....
活人形」より 著者:泉鏡花
戦くのみ答は無し。「それからまだある。この男と、お前と、情死をした様にして死恥を曝すのだ。どうだ。どうだ。下枝は恨めしげに眼を※とこういえば可い。それは出来ない....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
ように、現世において戦います。有難う。心中は階級戦の中に発見します? 屍はそこに曝すのでしたね? 」 「そうそ! 今時の娘らはわかりが早いので面白い! それが新....