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曩日
「曩日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
曩日の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
く新聞中の新聞であったのである。しかしそう思えば、成程思い当る事もないではない、
曩日の彼の愚痴の繰り事や、其怨恨の情は歴然浮び出るのだった。其午後の事であった。....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
長々と枝を垂れて居た。失恋の彼が苦しまぎれに渦巻の如く無暗に歩き廻った練兵場は、
曩日の雨で諸処水溜りが出来て、紅と白の苜蓿の花が其処此処に叢をなして咲いて居た。....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
パンと、手を拍って、座をはずしていた取り巻きを呼ぶのだった。
狂※の恋
一
曩日《さきのひ》の宿下《やどさが》りに、中村座顔見世狂言で、江戸初下りの雪之丞|....
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
方法で大衆が納得するだろうかと悲鳴をあげても始らぬ。」このロマン派の青年論客が、
曩日《のうじつ》文学の芸術性を擁護して芸術至上の論策を行っていたことと思いあわせ....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
感の志士は、これを未萌《みほう》に削除《さくじょ》せざるを得ずと、即《すなわ》ち
曩日《さき》に政府に向かって忠告したる所以《ゆえん》なり。かく儂ら同感の志士より....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
因に云う。小説家久保田万太郎君の俳人傘雨宗匠たるは天下の周知する所なり。僕、
曩日久保田君に「うすうすと曇りそめけり星月夜」の句を示す。傘雨宗匠善と称す。数日....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
商店の経営法の研究であった。今日においては欧州の事情も変化し、当時とは経済状態も
曩日の観察をもって今日を卜することの迂愚なることはもちろんであるが、経済的歴史事....
「豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
きだ》してしまえば何にも貧しく乏しい身に、恵まれた理想郷でもある。 私はふと、
曩日《このあいだ》、初代綾之助の語るのを、ゆくりなく聴く機会のあったことを思いだ....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
よって、はじめてその事実を知了するを得たり。 ここにおいてか、予はさらに思う。
曩日の感夢、おおむね事実と適中するもののごとしと。これ、そもそも予が疑団いよいよ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
対しては、これより遙か以南なる釈迦牟尼如来が成仏なされたブダガヤの霊場を追想し、
曩日彼の霊場において誓願を立てたがこの国境までにはまずどうにか無事に着いたかと思....