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「曲線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

曲線の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女体」より 著者:芥川竜之介
な鼈甲色《べっこういろ》の光沢を帯びて、どこの山脈にも見られない、美しい弓なりの曲線を、遥《はるか》な天際に描《えが》いている。…… 楊《よう》は驚嘆の眼を見....
或る女」より 著者:有島武郎
をしいてじっとこらえながら、きれいに整えられた寝台にようやく腰をおろした。美妙な曲線を長く描いてのどかに開いた眉根《まゆね》は痛ましく眉間《みけん》に集まって、....
或る女」より 著者:有島武郎
かったらしい古藤は、しばらくは何事も忘れたように恍惚《こうこつ》として二人の描く曲線のさまざまに見とれていた。 と突然貞世が両|袖《そで》を顔にあてたと思うと....
星座」より 著者:有島武郎
の鐘のように下の方でなぞえに裾を拡げている。その拡がり方といい勾配《こうばい》の曲線の具合といい、並々の匠人の手で鋳られたものでないことをその鐘は語っていた。 ....
生きている腸」より 著者:海野十三
かけた方眼紙の上に色鉛筆でもってマークをつけていった。 赤と青と緑と紫と黒との曲線がすこしずつ方眼紙の上をのびてゆく。 そうしているうちにも、彼はガラス管の....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の景色を思い出している事がある。この山とあの山との距りの感じは、界の線をこういう曲線で力強くかきさえすれば、きっといいに違いない、そんな事を一心に思い込んでしま....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ン自身こう言っている。もし地球上の一点から弾丸を打ち出すとすれば、それが閉鎖した曲線軌道を描く場合ならば再び元の出発点に帰ってくるであろう。すなわち、ただ短時間....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
ていて、すこし近視らしいが円らな眼には湿ったように光沢のある長い睫毛が、美しい双曲線をなして、並んでいた――というと、なんだか、川波大尉どののお話のAさんという....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
光線の下に眠れる谷々は、一方に濃い陰影を見せて、白く輝く面とその陰影とは、柔かい曲線と、男性的な線とを画いていた。米沢の平原が、その山を越えて見える。杖の先に、....
」より 著者:池谷信三郎
あちこちと、虫のように蠢いていた。裂かれた裾の下にはっきりと意識される彼女の肢の曲線を、溶けてしまうように固く腕に抱きしめながら、彼は夢中で人混みの中へ飛び下り....
不周山」より 著者:井上紅梅
ろさえも判らなくなった。 彼女は、この肉色の天と地との間を海辺へと走り、全身の曲線を全く薄薔薇色の光の海のなかに融け消えて、下半身は真白に彩られ、波は驚き、規....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
かなくなる。しかしすぐ次の瞬間には水煙の間をつき抜けて舟のへさきが白鳥の首に似た曲線を現わす。やがて何ごともなかつたように舟の男女は笑い興じながら漕いで行く。そ....
カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
学ノ本デ十分ニ痛メツケラレタ記憶ヲ持ツ人ニチガイナイ。元来、ヒラガナノ構成単位ハ曲線デアリ、楷書トカタカナノ構成単位ハ直線デアル。コノ事実ガ右ノ調和ウンヌンニ深....
作画について」より 著者:上村松園
段おろしになりますと短い留袖では袖が返りません。 この袖を返すところに、美しい曲線があり絵の生命も生まれてくるので、急に令嬢風に改め振袖姿にしたのであります。....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
り また、海門に砲台あるを望みて一吟す。 墨南湾一曲、街路繞。 (墨南部の湾は曲線を描き、街路は山の根をめぐって続く。はずれの要塞は兵の備えとなり、砲台は湾口....