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更ける
「更ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
更けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
して寐《ね》に就きそうだから、汽車の中でもくれぐれいったのはここのこと、私は夜が
更けるまで寐ることが出来ない、あわれと思ってもうしばらくつきあって、そして諸国を....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
。」 「は……い。」 「会は混雑しましょう。若竹座は大変な人でしょう。それに夜も
更けると申しますから、人目を紛らすのに仔細ありません。得難い機会です。私がお供を....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
りました。 何しろこの百物語……怪談の会に限って、半夜は中途で不可ません。夜が
更けるに従って……というのですから、御一味を下さる方も、かねて徹夜というお覚悟で....
「蠅男」より 著者:海野十三
いたころには、五人の召使いの外には糸子只一人という小人数になった。 夜は次第に
更けるに従って、この広いガランとした邸はいよいよ浸みわたるようなもの寂しさを加え....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
。みんなたべてしまったのだ。 そのうちに寒くなって来た。秋も十一月の山の中は、
更けると共に気温がぐんぐん下っていくのであった。 「ああ、寒い。これはやり切れな....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
1 やがて四月の声を聞こうというのに、寒さはきびしかった。夜が
更けるにつれて胴慄いが出て来たので、帆村荘六は客の話をしばらく中絶して貰って、裏....
「怪塔王」より 著者:海野十三
そのとき寝床のなかにあの変な顔をうずめてぐうぐうと眠っていました。怪塔王は、夜が
更けると一度すこしのあいだ寝ることにしています。二時間ほど眠ると、こんどはまた起....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
髪を掴んで釣し下げた女の顔の形をした、ぶらり火というのが、今も小雨の降る夜が
更けると、樹の股に懸るというから、縁起を祝う夜商人は忌み憚って、ここへ露店を出し....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
。 散歩に出た途中で、偶然に知人に行き逢って、その宿屋へでも連れ込まれて、夜の
更けるまで話してでもいるのかと、最初はよもやに引かされていたのですが、そんな事が....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
うのでしょうよ。」 現にこの盂蘭盆にも、姉妹そろって踊りの群れにはいって、夜の
更けるまで踊っていたばかりか、村の誰れかれと連れ立って、そこらの森の中へ忍び込ん....
「穴」より 著者:岡本綺堂
ことしはかなりに残暑の強い年であったが、今夜はめずらしく涼しい風が吹き渡って、
更けるに連れて浴衣一枚ではちっと涼し過ぎるほどに思われた。月はないが、空はあざや....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
また寂とした。 雨はいよいよ降るのである。時もわきまえずなるまでに、夜は次第に
更けるのである。 「愛吉、愛吉、」とお夏が呼んだ。 遠山は面を背けた。 「愛吉....
「子供の霊」より 著者:岡崎雪声
のが例なので、その晩も、用を終って、最早遅いから、例の如く一人で床に入った。夜が
更けるにつれ、夜伽の人々も、寝気を催したものか、鉦の音も漸々に、遠く消えて行くよ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
もあったしかつ好きでもあった。が、この晩ぐらい興奮した事は珍らしかった。更ければ
更けるほど益々身が入って、今ではその咄の大部分を忘れてしまったが、平日の冷やかな....
「影」より 著者:岡本綺堂
ほんとうに泊めてくれますか。 重兵衛 (曖昧に。)ええ。 旅人 だんだんに夜は
更ける、風は寒くなる。これから山越しをするのも難儀ですから、いっそ今夜は御厄介に....