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書き置き
「書き置き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
書き置きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
す」
一時間前に生きて居たとすれば今も未だ自害はせぬかも知れぬ、或いは余の室で
書き置きでも認めて居るだろうか、最早此の上を聞く必要は無い、余は直ちに馬に飛び乗....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
弁解は出来ないし、先生との関係がどんな風だか、下村さん達がいったし、それに先生の
書き置きでしょう。とても逃れる所はないんですものね、蒼い顔をして悄然としているの....
「土竜」より 著者:佐左木俊郎
地所を買い求めるぐらいの小金でも、どうにかして蓄めて来たいと思うから。――という
書き置きをして行方を晦ました伜の市平のことを思い続けた。「あの野郎も、手紙ではい....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
してみると、いっしょに右門も伝六もあっと息をのみました。紛れもなく、その紙切れは
書き置きだったからです。あまりじょうずな手跡ではなかったが、
書き置きの事――と初....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
罪を後悔すればこそ、覚悟のうえのことにござります。それが証拠は、この内ぶところに
書き置きがござりますゆえ、ご慈悲があらば今すぐお読みくださりませ!」 「なに、書....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の用意をしろッ、ほんとうに大汗かかしやがった。二三春べっぴんがあらましのことでも
書き置きに残して死んだら、暑いさなかをこんな苦労せずにすんだんだ。江戸女はとかく....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
えても、妻女のおこよが、なんの罪か自分の罪を恐れ恥じて、みずからいのちをちぢめた
書き置きとしか思えぬ紙片なのです。 「なるほど、そうか」 ふりかえると、いまだ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
れから眠られない。五晩も六晩もそんな眠られないことが続くうちに、しまいにはおれも
書き置きを書こうかとまで思ったくらい苦しかった。ほんとに、冗談じゃない。いろはに....
「男女同権」より 著者:太宰治
りません。とうとうこの女は、私と同棲三年目に、私を捨てて逃げて行きました。へんな
書き置きみたいなものを残して行きましたが、それがまた何とも不愉快、あなたはユダヤ....
「律子と貞子」より 著者:太宰治
て、そうして死ぬんだってあたしに言って、富士山の絵を何枚も何枚も書くのよ、それが
書き置きなんだってさ、おかしいでしょう? あたし、兄ちゃんも文学のためにとうとう....
「ロマネスク」より 著者:太宰治
閉じさせた。このようなあさましい姿では所詮、村にも居られませぬ。旅に出ます。そう
書き置きをしたためて、その夜、飄然《ひょうぜん》と家を出た。満月が浮んでいた。満....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
りましたあとで、そっと着物を着かえて、悴=六つでした=がこう寝んでいます枕もとで
書き置きを書いていますと、悴が夢でも見たのですか、眠ったまま右の手を伸ばして「母....
「舗道」より 著者:宮本百合子
き、向い側の壁にもたれて風呂敷包みをときかけた。みどりが明日の朝来て見るように、
書き置きをして行こうと思ったのだ。ミサ子が小さいはぎとり帳をひき出したとき、今ま....
「廃墟(一幕)」より 著者:三好十郎
すわね? せい はあ、いえ―― お光 だけど、いくらなんでも、黙あって、あなた、
書き置き一つ無くって毒を呑むなんて、そんなあなた、いくら日本が負けちまって、そり....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
いの所である。それも、ただ、受身の、しようことなしの推測に過ぎない。それが、この
書き置き一つを土臺にして、いくら考えて見てもハッキリした事がわかる道理は無い。…....