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書入れ
「書入れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
書入れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
臨時の大市《おおいち》は一年に三度、――一月と四月と九月とに立ちます。殊に一月は
書入れの市ですよ。」
僕「じゃ大市の前は大騒ぎですね?」
老人「大騒ぎですと....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
友「宜しい、印形《いんぎょう》を持参しましたから書きます」 蟠「なに荷《に》を
書入れる、馬鹿な、そんなことをしなくっても宜《よ》いのう蟠作」 蟠作「なに兄上....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
たが、それから続いて気分もすぐれないで、きょうもとうとう休むことになった。折角の
書入れ日に雨は降る、姐さんには休まれる、いやいや散々《さんざん》ですと、楽屋番の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
し腫れ眼縁のまぶたをいよいよ泣き腫らしていた。花火はなくともきょうは川開きという
書入れの物日に、彼女はふだん着の浴衣のままで家を飛び出して来たらしかった。 「ど....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
、長二も福泉寺の和尚に面会して多分の布施を納め、先祖の過去帳を調べて両親の戒名を
書入れて貰い、それより和尚の案内で湯河原村の向山にある先祖の墓に参詣いたしたので....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
るから、鉦は鳴す、笛は吹く、続いて踊らずにはいられない。 何年めかに一度という
書入れ日がまた快晴した。 昼は屋台が廻って、この玄関前へも練込んで来て、芸妓連....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
た踊りの群がくりだすという騒ぎ、町の景気も浮ついていたので、こんな日は夜店出しの
書入れ時だと季節はずれの扇子に代った昭和四年度の暦や日めくりの店を谷町九丁目の夜....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
はこの下には何にもないのであるから、9であるしかない。 これだけのことを計算に
書入れてみると下のようになる。 97809 ________....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
声で話すことも恐しがっていたということを知っているような特権を――例えばですね、
書入れしてない書式用紙にちょっと名前を書き込んで、誰をでも牢獄へどんなに永い間で....
「扉は語らず」より 著者:小舟勝二
庫の扉締りに行く。これが彼の日課の最後の部分だ。然し、その余白にもう一つの日課を
書入れることが出来る。何故なら、六時の第一|電鈴から第二の電鈴までの三十分間は、....
「秋草」より 著者:島崎藤村
景物や情趣がわたしの心を楽しませる上に、暑くても何でも一年のうちで一番よく働ける
書入れ時のように思い、これまで殆んど避暑の旅に出たこともない。ことしもと、それを....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
地図も出たろうなれど、それには露骨に黄金埋蔵とは書いてなかったので、単に金山脈の
書入れとでも見たものか、何の沙汰にも及ばなんだ。そうして子息|藤十郎以下七人は、....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
いのです。「紙が無駄だこと」と私はつぶやきましたが、お兄様は、そこに朱でいろいろ
書入れをなさるのでした。私に見せて下さるばかりでなく、御自分が見たくてお買いにな....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
しながら、日本人の名前の沢山書いてある参詣者記念名簿に私も義務だけにペンで名前を
書入れて帰った。 寺は気に入らなかった。然し町は気に入った。名も無いフロウナウ....
「久野女史をいたむ」より 著者:兼常清佐
上の事一般をベルリンで勉強したらよかろうと言った。後で見るとこの本には処々鉛筆で
書入れがしてあった。恐らく最初の二、三枚位を独りで試みたものであろう。惜い事には....