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書写
「書写〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
書写の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
撫でて見た。鼻は依然として短い。内供はそこで、幾年にもなく、法華経《ほけきょう》
書写の功を積んだ時のような、のびのびした気分になった。
所が二三日たつ中に、内....
「駒のいななき」より 著者:橋本進吉
を「ひゝ」または「ひう」であると決定するのは早計であって、むしろ、現存諸本中最も
書写年代の古い九条家本(室町中期の
書写)その他の諸本におけるごとく、「いう」とあ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
黒死館についての驚くべき調査資料のことを記さねばならない。それは、中世楽器や福音
書写本、それに古代時計に関する彼の偏奇な趣味が端緒となったものであるが、その――....
「学生時代」より 著者:幸田露伴
私塾は先ずそんなものでした。で、自宅練修としては銘々自分の好むところの文章や詩を
書写したり抜萃したり暗誦したりしたもので、遲塚麗水君とわたくしと互に相争って荘子....
「李陵」より 著者:中島敦
死んだ。そして、そののちに、彼の書残した史をつづける者は、知覚も意識もない一つの
書写機械にすぎぬ、――自らそう思い込む以外に途《みち》はなかった。無理でも、彼は....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
」 橘南谿の東遊記に、 これは清衡存生の時、自在坊蓮光といへる僧に命じ、一切経
書写の事を司らしむ。三千日が間、能書の僧数百人を招請し、供養し、これを
書写せしめ....
「連環記」より 著者:幸田露伴
であろう。世外の老人の死だから、五年やそこらは何れが真実でも差支は無いが、想うに
書写|輾転の間に生じた何れかの誤りなるのみであろう。長徳の方が正しいかも知れぬ。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
山寛永寺の天海和尚というのは、百三十三歳まで生きたが、これも一日一食じゃ。播州の
書写山の性空上人《しょうくうしょうにん》というのが、これも一日一食で九十八まで生....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
きらめて忘れきったようであった。そのくせいつの問にか系図の所在を見破り謎の文字を
書写しているとは怖しい。何くわぬ顔をしながら、心はいつも一途に千頭家の秘密を追求....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いうのは、ここの子孫の一人が建暦元年から承久二年までの十年間に下野足利の鶏足寺で
書写したもので、例年春三月に転読するのだという。そもそも移住の時から仏教と非常に....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
仏教の様式を伝えたのであります。大蔵会というのはまた一切経講会ともいい、一切経の
書写、供養、もしくは転読の法会であるが、この法道が宮中で初めてこれを行ったのであ....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
「手順がわかりますか? エッゲが書き始めます。エッゲがあの男の背中に文字の最初の
書写を終わると、あの重ねた綿が廻って、エッゲが新しいところに書けるように身体をゆ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
し止めたいと思う」 二つの手紙は、途中で政府のスパイの手にはいった。スパイは、
書写しを取ったあと、なにくわぬ顔で、あて名人にそれぞれ渡したものである。それから....
「法然行伝」より 著者:中里介山
事を修せられた。それは元久元年三月のことで、その時法然は蓮華王院で浄土の三部経を
書写せられ、能声を選んで六時礼讃を勤行して、ねんごろに御菩提をとぶらい申された。....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
除し袈裟を着けながら、而も俗に即き。それでも崇仏の功徳は著しいもので、此の沙弥の
書写した法華経は、神護景雲三年の火事にあつても、猛火中にあつて焼けなかつた。 ....