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書巻
「書巻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
書巻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》に塗《まみ》れて鞭《べん》を揚《あ》ぐるの輩《はい》にあらざるなり。 御者は
書巻を腹掛けの衣兜《かくし》に収め、革紐《かわひも》を附《つ》けたる竹根の鞭《む....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
ごよみ》』巻之二に「素顔の意気な中年増《ちゅうどしま》」ということもある。また同
書巻之一に「意気な美しいおかみさんが居ると言ひましたから、それぢやア違ツたかと思....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
訳だ。朝《あした》に法を聴き、夕《ゆうべ》に道を聴き、梧前灯下《ごぜんとうか》に
書巻を手にするのは皆この自証《じしょう》を挑撥《ちょうはつ》するの方便《ほうべん....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
奥まった一室に入った。古い段通を敷いた六畳程の部屋、下を硝子戸の本棚にして金字の
書巻のギッシリ詰まった押入を背にして、蒲団の上に座って居る浅黒い人が、丁寧に頭を....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
けれど、思想々々と大層らしく言うけれど、私の思想が一体何んだ? 大抵は平生親しむ
書巻の中《うち》から拾って来た、謂わば古手の思想だ。此|蒼褪《あおざ》めた生気の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
べき悪女の因縁と、経歴との考証に取りかかっているのでしょう。悪女塚の亡霊の主を、
書巻の間から求めようとしているのでしょう。
まあ、見ていてごらんなさい、あの通....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
やつを、塗りのあざやかな吸物椀でグイグイ引っかけたくなったよ、と神尾主膳が一応、
書巻を伏せて、咽喉をグイグイと鳴らしました。 六十四 咽喉を....
「死者の書」より 著者:折口信夫
鳴くのであった。 郎女の心に動き初めた叡い光りは、消えなかった。今まで手習いした
書巻の何処かに、どうやら、法喜と言う字のあった気がする。法喜――飛ぶ鳥すらも、美....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
きりに朗々と読み立てているにはいるのですが、肝腎《かんじん》のその眼が、いっこう
書巻の上には注いでいず、向うの行燈《あんどん》の、やや黄ばみかかった紙の横の方に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
魔でありましたが、今度は外からさした魔であります。 「あれ、何かさし入りました」
書巻の眼は鞠《まり》のように飛んで、戸締りの桟《さん》に向ったのは、その戸の外で....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
」、「仏頂尊勝陀羅尼」、「瑜伽《ゆか》大教王経」、「妙吉祥平等観門大教主経」等の
書巻を膝の上にもって、黙読していた。
加治木玄白斎は、白衣をつけて、暫く、座所....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
方なくて机を退け筆を投げ捨てて嘆息の余りに「ながらふるかひこそなけれ見えずなりし
書巻川に猶わたる世は」と詠じたという一節がある。何という凄惻の悲史であろう。同じ....
「解説」より 著者:原田義人
してくれる大出版社を見出すことがむずかしかった、と述懐している。そこで、それらの
書巻に対する著名作家の関心を喚起しようとしたところ、ゲルハルト・ハウプトマンは「....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
よこちょう》の南側(築地二丁目十五番地)にあって専《もっぱ》ら俳諧《はいかい》の
書巻を刊行していたのであるが拙著『すみだ川』の出版を手初めに以後六、七年の間|盛....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
、
素直な感じのままに、一遍
神聖なる本文を
好な独逸語に訳して見たい。
(一
書巻を開き、翻訳の支度す。)
こう書いてある。「初にロゴスありき。語ありき。」....