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書式
「書式〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
書式の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
した事があるとの返事です。そこで、今度は、ひとつこれを見て下さい」 東屋氏は、
書式張った商業書類らしい紙片を数枚取り出しながら、 「これは、この戸棚の書類金庫....
「ピムキン、でかした!」より 著者:宮本百合子
みんなあまり口をきかない。新しく来た集団農場書記が、入って左側の室でしきりに
書式を埋めている。その机の前まで列はつづき、椅子にかけている一人がすんで帽子をも....
「舗道」より 著者:宮本百合子
…男の社員からだって、あつめられるだけあつめましょうよ。はる子さんは新米の社員が
書式を間違えた原稿をよこしたって、ちゃんと直して打ってやるぐらいだったんだもの、....
「道標」より 著者:宮本百合子
一月の北風に砂塵がまきあげられている代書人の店先の土間の椅子にかけて、協議離婚の
書式がげびた代書人の筆蹟でかかれてゆくのを、くい入る視線で見つめていた自分のコー....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
を可愛がってやれと言い聞かせます」 しかし冥府から渡される差紙などというものの
書式を誰も知らなかった。 「いや、それはわたしが曾て見たことがあります」 張は....
「それに偽りがないならば」より 著者:宮本百合子
与えるそのような冒頭の文句ではじまる、長文の上申書の終りは、かつての転向上申書の
書式を思わせ、共産党への罵倒と「いかなる罰も天命であって人智のなすべからざるとこ....
「くちなし」より 著者:宮本百合子
、ハガキが来た。部隊の名と自分の姓の下に名を書かないで少尉としてあった。そういう
書式があるということはそのときまで知らなかった。ハガキをうちかえして眺めながらこ....
「新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
の風潮が多くそうであると云い度い位です。そして反射神経でありあわせなラブレターの
書式など、実にうまくなりましたこと。然しほんとうの恋をする女があるということは物....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
は隣り持ちの畑だと、つまり自分の畑さえ害せずば隣人はどんなに困っても構わぬという
書式だ。不心得千万なようだが、都市は知らずこの鼠駆りに少しも違わぬ遣り方が日本で....
「ベルリン大学」より 著者:寺田寅彦
文は事務の役人にとって自分の場合のラテン語以上に六かしそうであった。色々記入する
書式の中の宗教という項に神道と書いたら、それはどういう宗教だと聞かれて困った。ド....
「現代科学教育論」より 著者:戸坂潤
興味をあまり高く評価することは要心する必要があるだろう。彼等は物理や化学の書物や
書式や実験装置や実験的行動や、つまりそういう科学的な風物に審美的に感動することも....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
タンポはこれこれだが、これはお前が総理大臣になったとき、公式に借款契約したような
書式にしようじゃないか、ともちかけた。 典六は大いによろこんだ。こッちから頼み....
「チューインガム」より 著者:寺田寅彦
と答えた、ただそれだけであった。パリのガール・デュ・ノールでは誰だか知らない人が
書式へいい加減のことを書いてくれてそれで万事が滞りなくすんだのであった。到る処の....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
恐しがっていたということを知っているような特権を――例えばですね、書入れしてない
書式用紙にちょっと名前を書き込んで、誰をでも牢獄へどんなに永い間でも押しこめてお....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
が欠如していたからではあるまいか。だから、新感覚派運動もついに志賀直哉の文学の楷
書式フォルムの前に屈服し、そしてまた「紋章」の茶会のあの饒慢な描写となったのであ....