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「書生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

書生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
確かに腎臓結核《じんぞうけっかく》だった。僕は時々ビスケットなどを持ち、彼のいる書生部屋へ見舞いに行った。彼はいつも床《とこ》の上に細い膝《ひざ》を抱《だ》いた....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
貝原益軒《かいばらえきけん》の逸事を学んだ。益軒は嘗《かつ》て乗合船の中に一人の書生と一しょになった。書生は才力に誇っていたと見え、滔々《とうとう》と古今の学芸....
或る女」より 著者:有島武郎
、おりふし横ざしに葉子に照りつける朝の光線をさえぎった。 紺の飛白《かすり》に書生下駄《しょせいげた》をつっかけた青年に対して、素性《すじょう》が知れぬほど顔....
或る女」より 著者:有島武郎
すぶりこんでいますよハヽヽヽ」 と木部はうつろに笑って、鍔《つば》の広い帽子を書生っぽらしく阿弥陀《あみだ》にかぶった。と思うとまた急いで取って、 「あんな所....
卑怯者」より 著者:有島武郎
て突っ立っていた。 「えい、退《ど》きねえ」 といって、内職に配達をやっている書生とも思わしくない、純粋の労働者肌の男が……配達夫が、二、三人の子供を突き転ば....
星座」より 著者:有島武郎
いつもとかわらない着物を着て立っていた。鳥打帽子の袴なしで。そのまわりを白官舎の書生さんをはじめ、十四五人の学生さんたちが取りまいて、一人が何かいうかと思うと、....
女仙」より 著者:芥川竜之介
昔、支那の或田舎に書生が一人住んでいました。何しろ支那のことですから、桃の花の咲いた窓の下に本ばか....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
きょうは出られまい」 君は東京の遊学時代を記念するために、だいじにとっておいた書生の言葉を使えるのが、この友だちに会う時の一つの楽しみだった。 「だめだ。この....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
。 「ちょうどいい処で、あの、ゆうべお客様から返ったばかりでございますの。それも書生さんや、職人衆からではございませんの。」 娘客の白い指の、指環を捜すように....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
。が、作は随分沢山出たが、傑作は殆んどなかった。その折に出たのが、坪内逍遥氏の『書生気質』であった。この書物はいままでの書物とはくらべものにならぬ優れたもので、....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
「私の主人は香港の日本領事だ。御嬢さんの名は妙子さんとおっしゃる。私は遠藤という書生だが――どうだね? その御嬢さんはどこにいらっしゃる」 遠藤はこう言いなが....
久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
面に近きものの如し。僕は先天的にも後天的にも江戸っ児の資格を失いたる、東京育ちの書生なり。故に久保田君の芸術的並びに道徳的態度を悉理解すること能わず。然れども君....
近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
ある。自分はその時君と、小杉未醒氏の噂を少々した。君はいが栗頭も昔の通りである。書生らしい容子も、以前と変っていない。しかしあの丸太のような、偉大なる桜のステッ....
良夜」より 著者:饗庭篁村
たり。この時の予はもとの新潟県下第一の豪傑穂垂周吉にあらずして、唖然たる癡呆の一書生なり。馬車の動揺に精神を撹乱し、単純なる空気を呼吸したる肺臓は砂煙りに混じた....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
講したらしい。 そのうちに、タタム氏と交際もするようになり、またこの人の家には書生がよく出はいりしたが、その書生等とも心易くなった。そのうちには、リチャード・....