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書留
「書留〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
書留の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
は中田博士の、極度に無関心な態度をむしろ尊敬した。帰ってから一度読み直すと、すぐ
書留にして山野に送った。 五月二十五日。 山野から手紙が来た。俺はそれをなん....
「特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
タイプへ回した。夕方には、それが出来てきたので、ただちに郵便局へ出掛け、特許局宛
書留で出した。 これで黒白が決定しないとすると、この出願事件は、大体脈がなくな....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
れて、ちゃんと石のようにして置くのです)表書を綺麗に書きまして、それを配達証明の
書留で送らせました。校正を見て、電報で『宜しい』と返事をしてから二三日の後亡くな....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
た。それは、古くから浅草郵便局の集配人をやっている川瀬郵吉だった。 「下田さん、
書留ですよ」 「おう、郵どん、御苦労だな」長造が、古い馴染の集配人を労った。「判....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
吃驚した。母はうなずいて、 「えゝ、遺書らしいですよ。大へん部厚なもので、速達の
書留で送って来ました」 野村は半ば夢心地で受取った。 野村の父儀造は、二川重....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
の手紙の中から為替の副券が飛び出しました。手紙の文句によると、本券はよほど以前に
書留でもって発送したが受け取ったかと書かれてあるのでした。しかし僕はそんな覚えは....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
枚、かりそめに貼った半紙である。 これはここへ来てからの、心覚えの童謡を、明が
書留めて朝夕に且つ吟じ且つ詠むるものだ、と宵に聞いた。 立ったままに寄って見る....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
る。新聞のコントたのまれる。この二月に描いた、唐津での陶器がおくられ、その代金を
書留で送ったところ、郵便局の手ちがいで、何度も念を押しにいったり、私は、実にオー....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
せんよ。お前いくつだと思っているの!」そういって、母は台所の方へ立ってしまった。
書留など、どこから来たのだろうと、圭子が不思議に思いながら玄関へ出てみると、それ....
「郷愁」より 著者:織田作之助
と思えば、片輪に出来たとはいえ、やはりわが子のように可愛く、自分で持って行って、
書留の証書を貰って来なければ、安心出来ないという気持もあった……。電車はなかなか....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
人、蚊帳も敷蒲団もなく、ボロ毛布の上へ着たなりで眠っていた。 朝飯を済まして、
書留だったらこれを出せと云って子供に認印を預けて置いて、貸家捜しに出かけようとし....
「一老人」より 著者:犬田卯
いよいよ怪しいな」と人々は顔を見合せた。 「飲んだんだあるめえか。さっき郵便屋が
書留だなんて爺さまへ渡していたっけから。」 「久しぶりで娘から金が来たか。」 「....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
。「青と白」はまだ妹が読んでいますからいま少し待って下さい。妹が読んでしまったら
書留めで返送いたします。(久保正夫氏宛 三月十九日。別府温泉より) ヘレン....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
人がどうしても真剣勝負の意気込になれなかった。 『浮雲』第三篇は作者の日記の端に
書留めた腹案に由ると、お勢の堕落と文三の絶望とに終るのだが、発表されたものを見る....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
十郎という人にあてて出しますので、どうかこの手紙をネパールへ持って行って郵便局で
書留にして出してくれろと言って、大分にその僧侶にも金をやって持たしてやりました。....