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書簡箋
「書簡箋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
書簡箋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
った後、A中尉はガンルウムのテエブルに女名前の手紙に目を通していた。手紙は桃色の
書簡箋に覚束ないペンの字を並べたものだった。彼は一通り読んでしまうと、一本の巻煙....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
は、机のひき出しから、白い四角な封筒をとりだし、封を破った。そして中から四つ折の
書簡箋を取出すと、開いてみた。そこには淡い小豆色のインキで、 「赤星ジュリア!」....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
云い出した。
「実際|無比だ。犯人の智的創造たるや、実に驚くべきものなんだ。この
書簡箋は、既に一年もまえ、現在のものに変えられたというのだからね。勿論それ以前に....
「伊太利亜の古陶」より 著者:宮本百合子
「云えるものかね」 けれども、彼女は気がすまなかった。彼女は居間に来て榛原の
書簡箋を繰りひろげ、芳しい墨をすり流した。そして徐ろに一昨夜の礼から、筆をかえし....
「おもかげ」より 著者:宮本百合子
、表側の朝子の部屋は人通りがうるさく、素子の室で、朝子は読み終った分から一枚ずつ
書簡箋を素子にまわした。二日経って漸々《ようよう》保が発見された時、猛毒アリと大....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
とが出来なかった。そこで彼は烏啼に対し請求書を出そうと考えた。彼は大机に向かい、
書簡箋の入っている引出しを明けた。と、途端に中からぱっと飛び出して来た青い紐のよ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
よって、よく大広間の空気を即死的猛毒性に変じます。――あなたは、ケリヤムグインを
書簡箋に吸収させました。そしてその
書簡箋は、缶詰の中に厳封して、旗田鶴彌氏へ送っ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
所の顕治宛 国府津より(封書)〕 八月二十四日 国府津 第二十六信。こういう
書簡箋が出て来たので。 きのうは、実に実に珍しい大雷雨でしたが東京はどうでした....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
人と人とのことは本当に複雑だし、生きているし。 これは、タイプライタアの用紙を
書簡箋に刷ったものらしくて紙はにじみませんけれど重いらしいわ。もう六枚で、一枚で....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
てしまったのだ。これといっしょに、モスクワにいたイワンへ手紙でできるだけ詳しく、
書簡箋《しょかんせん》を六枚も使ってすべての事情を説明してやって、イワンをあの女....
「光は影を」より 著者:岸田国士
本在に住む六笠久史なる差出人の見当がつきかねた。 が、封を開いて、和紙の水色の
書簡箋にやゝ薄めの墨で、まず、京野等志さま、と書き出した、その調子で、彼はやつと....
「雷嫌いの話」より 著者:橘外男
ん。ウルグアイ、モンテヴィデオの、ドン・ペドロ何とかいうオッサンは、なんとハヤ、
書簡箋三枚に亘ってビッシリ一杯と、当地ではいつ雷が鳴って、どんな具合に自分がビッ....
「快走」より 著者:岡本かの子
「すっかり濡れてしまいましたけれど、どうやら開きました」 母親は四つに折った
書簡箋をそっと抜き出して拡げた。 「声を出して読みなさい」 父親は表情を緊張さ....
「妻」より 著者:神西清
ん。さあどうぞ。」 机の上には学校で使う筆記帖が五冊ばかりと、一ぱい字を書いた
書簡箋が五六枚と、郡の地図と、大小とりどりの紙片が一枚載っていた。たそがれて来た....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
うらどなり》の時計が十一時か十二時かを打続けている。ふと見ると枕《まくら》もとに
書簡箋《しょかんせん》が一枚二ツ折にしてある。鏡台の曳出《ひきだ》しに入れてある....