書院[語句情報] »
書院
「書院〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
書院の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
近い廓町《くるわまち》の最も俗塵に遠い一区劃だった。殊に私の起臥《きが》していた
書院造りの八畳は、日当りこそ悪い憾《うらみ》はあったが、障子襖《しょうじふすま》....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
。 通例照明部の人たちは泥のついたコードを曳きずり、泥靴をはいたままで、殿様の
書院でも江戸城の大広間でも平気で蹂躙してまわる。その後から白足袋で歩いて行く大名....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
原稿を渡す。 西日本新聞社の氏家氏 サイエンスのパズル入稿の催促。 明治
書院 「おはなし電気学」の補遺原稿の催促。 偕成社の矢沢氏 「まだらの紐」....
「食魔」より 著者:岡本かの子
け、眼を細めてでもいるような和み方の東山三十六峯。ここの椽に人影はない。しかし別
書院の控室の間から演奏場へ通ずる中廊下には人の足音が地車でも続いて通っているよう....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
込の戸を開けると、葉山繁山中空へ波をかさねて見えるのが、今は焼けたが故郷の家の、
書院の構えにそっくりで、懐しいばかりでない。これもここで望の達せらるる兆か、と床....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
性の抜けた、べろべろの赤毛氈。四角でもなし、円でもなし、真鍮の獅噛火鉢は、古寺の
書院めいて、何と、灰に刺したは杉の割箸。 こいつを杖という体で、客は、箸を割っ....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
ある。 発行所の下の座敷には島木さん、平福さん、藤沢さん、高田さん(?)、古今
書院主人などが車座になって話していた。あの座敷は善く言えば蕭散としている。お茶う....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
。 六 天城屋敷の池田出羽の許へ早馬で駈着けたのは野末源之丞。奥
書院にて人払いの上、密談の最中。池田出羽は当惑の色をその眉宇の間に示しながら。 ....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
えていた。山田家の歓迎も一通りでなく、主人は紋服|袴穿きで大玄関に出迎え、直ちに
書院に案内して、先ず三宝に熨斗を載せて出して、着到を祝し、それから庄屋格だけを次....
「あゝ二十年」より 著者:上村松園
蒔絵軸の仮巻に仕立て、白木の箱に納め、それを白木の台に載せて持参いたし、御所の御
書院において御側近の方々に御面会申し上げ、たしかにお納めいたしましたから、いずれ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
たいに奥の方へそっと忍んで行った。 「城はみな焼け落ちたというに、どうしてこの広
書院だけが燃え残ったのであろうかのう。」と、藤次郎はまたささやいた。 「城の衆は....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ふらふらとなって切戸口から引入れられると、もう奥庭で、階段のついた高縁の、そこが
書院で、向った襖がするすると左右へ開くと、下げ髪にして裲襠を捌いた、年三十ばかり....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ったそうだが、惜しい哉、十数年前修繕の際に取毀たれてしまった。 円福寺の方丈の
書院の床の間には光琳風の大浪、四壁の欄間には林間の羅漢の百態が描かれている。いず....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
知らないが、とにかくその死が不自然な自殺であったし、撰んだ最後の場所が天光教の奥
書院だったという、ただそれだけの理由で、伯父側の人々は彼に対して非常な反感を懐い....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
れた。上海で、通称“神戸の小母さん”という女顔役の世話にもなった。上海で東亜同文
書院の向かいの中華そば屋に雇われ、当時名声をはせた島貫兵太夫のチベット入りの一行....