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曼陀羅
「曼陀羅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
曼陀羅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れているし、向う側の中央にある合歓樹は、火星の表徴になっているのだ。またそれを、
曼陀羅華・矢車草・苦艾と、草木類でも表わすことが出来るけれども……いったいその三....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
浄い香りに満ちた。わしは金砂をまいた地の上に散りしく花を見入りつつこれこそあの「
曼陀羅華」というのであろうと思った。その時私は目がさめたのだ。 唯円 なんという....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
※祇尼は古くからいい伝えていること、勝軍地蔵は新らしく出来たもの、だきには胎蔵界
曼陀羅の外金剛部院の一尊であり、勝軍地蔵はただこれ地蔵の一変身である。大日経巻第....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
界の諸相を曲尽《きょくじん》して、大乗遊戯《だいじょうゆげ》の境に参入するカルマ
曼陀羅《まんだら》の面影を大凡下《だいぼんげ》の筆にうつし見んとするにあり。この....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てやってみろ、幸い、あの遊行上人は、天竺《てんじく》から来たという黄金《きん》の
曼陀羅《まんだら》の香盒《こうごう》というものを持っている、それをしじゅう懐中《....
「古狢」より 著者:泉鏡花
せて、 「気味が悪い。」 「じゃあ、言直そう。ここは蓮池のあとらしいし、この糸で
曼陀羅が織れよう。」 「ええ、だって、極楽でも、地獄でも、その糸がいけないの。」....
「死者の書」より 著者:折口信夫
のを知る者の、ある訣はなかった。 姫の俤びとに貸す為の衣に描いた絵様は、そのまま
曼陀羅の相を具えて居たにしても、姫はその中に、唯一人の色身の幻を描いたに過ぎなか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
手に取って示したのは、畸形《きけい》な裸形《らぎょう》の男女を描いた、立川流の敷
曼陀羅《しきまんだら》というのに似ている。 「お祈りの時の敷物でございます」 「....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
に住みついている連中までが、ここへ来たが最後『ああ退屈だ! ああ何て埃だ!』の百
曼陀羅なんですからねえ。まるで*グラナダからでもやって来たような騒ぎで」 彼女....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
なく流動する。創造の華が枯木にも咲くのである。藤原南家の郎女が藕糸を績いで織った
曼陀羅から光明が泉のように涌きあがると見られる暁が来る。 釈迢空さんは『死者の....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
描かれてい、卍のような形が描かれているのであった。 それは、諸法具足を象徴した
曼陀羅の模様であった。血で描かれた
曼陀羅紙帳は、諸所切り裂かれ、いまだに血をした....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が、ところどころ僅か許り、金泥の斑点を残しているままで、殆んど赤裸に引ん剥かれ、
曼陀羅の干茎が露き出しになっている。それからだけでも、この無数の片々が、以前玉幡....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
、尻きれとんぼうになった。その時の構図は、凡けろりと忘れたようなあり様だが、藕糸
曼陀羅には、結びつけようとはしては居なかったのではないかと思う。 その後もどうか....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
妙音菩薩が無声の音楽を弄して毘婁遮那大仏に供養するかのごとく、実に壮快なる天然の
曼陀羅を現わして居るのです。この辺は麦も小麦も何にも出来ない、全く西北の曠原地と....
「法然行伝」より 著者:中里介山
年の頃法然を請《しょう》じて大仏殿のまだ半作であった軒の下で観経《かんぎょう》の
曼陀羅《まんだら》、浄土五祖の姿を供養し、浄土の三部経を講じて貰うことになったが....