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曾て
「曾て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
曾ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
悲惨である。同じ交通の便利の恩恵を受けるにも両様の意味がある。 ▲戸川秋骨君が
曾て大久保を高等|裏店だと云ったのは適切の名言である。 ▲其上に我々は市外に駆....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
すたすたといってしまった。 貫一は射撃に自信と誇りとを持っていたから、彼は未だ
曾て、狙った相手に対し、二発目をぶっ放したことがなかった。一発で沢山なのである。....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
二つには金博士を御信用にならないためでありますぞ。金博士の設計になるものが、未だ
曾て、動かなかったという不体裁な話を聞いたことがない。主席、あなたのその態度が改....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
ょう。兄は勇躍して、その白毛のようなものをポケットから取り出しました。これは私が
曾て、壊れた窓|硝子の光った縁から採取したものでした。あの怪物が室内から飛び出す....
「雷」より 著者:海野十三
老人と共に駈けだしていった。 4 いまは瀬下英三に嫁入った娘お里の、
曾ての情人北鳴四郎を、稲田老人夫妻は二階へ招じあげて、露骨ながらも、最大級の歓待....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ですわ。――」 ミチミは子供のように声をあげて、その場に泣き伏した。 杜は、
曾て知っていたミチミとは別の成熟した若い女が、彼の前で白い頸を見せ、肩を慄わせて....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
彩に分れているにしてもいずれも探偵小説至上論者であって、新発表の探偵小説は従来|
曾て無かりし高踏的のものならざるべからずと叫んでいる。だから苟も従来の誰かの探偵....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
れを大理石や青銅へ再現することが出来ないのであると主張していた。 「わたしは未だ
曾て月の薄い光りを捉えることも出来ず、又は日の光りを思うがままに捉え得なかった。....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
である。同様に世界を迷妄の闇の中から救い、これに真理の光を注いだ人達にして、未だ
曾て自制の人でないのはなく、何れも皆自己に割り当てられたる使命の遂行に向って、畢....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ん|毒婦恨平らぎ難きを 業風過ぐる処花空しく落ち 迷霧開く時銃忽ち鳴る 狗子何ぞ
曾て仏性無からん 看経声裡|三生を証す 犬塚信乃 芳流傑閣勢ひ天に連な....
「一寸怪」より 著者:泉鏡花
ではなく、アハハハハハと恰も数百人の笑うかの如き響をするように思われる。 私が
曾て、逗子に居た時分その魔がさしたと云う事について、こう云う事がある、丁度秋の中....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
殺して来ている。 この密室犯罪の方法を取り入れて最も巧妙な解決を示したものは、
曾て書かれた探偵小説のうち最も傑れた作品であるところの、かのガストン・ルルウの『....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
鳴かざるべからず。 この類なおあまたあり。しかれども三三に、 ……(前略)……
曾て茸を採りに入りし者、白望の山奥にて金の桶と金の杓とを見たり、持ち帰らんとする....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
れるようなねたましさを感じていた佐太郎は、思いがけない初世の姿を見出すと同時に、
曾てそういうことで揮い起したことのない勇気をふるつて一気にそれだけ言い切つた。声....
「松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
声を聴くの趣を存して尋常文章の人を動すに優れり、余は元来言文一致を唱うる者なり、
曾て新井貝原両先輩が易読の文を綴りて有益の書を著わすを見て常に其の識見の高きを感....