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替玉
「替玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
替玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
じゃあ、久兵衛を殺して川へ飛び込んだのは、本人のお節じゃあねえ。泳ぎの上手な奴が
替玉になって、水をくぐって逃げたのだろうと思いますね。みんなの眼にはお節と見えた....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、一般の火葬の場合とは全然違った、信用一点張りの制度になっておりますので、屍体の
替玉に気付かれる心配は万に一つもないといってよろしい。尤も、その火葬以前にやって....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ようにわからなくなる。
戸籍係りの方には何にもわからないで、少しの抗議もなく、
替玉《かえだま》はきわめて容易に行なわれた。ただテナルディエは子供を貸し与えたに....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
はくらひこむ直前にいただかなきや。どこの三下だつて、この節の十万ポッチで刑務所の
替玉をつとめますか。然し、あなたが三十万だしや、私が
替玉を探してあげる。失礼だが....
「魔都」より 著者:久生十蘭
なはだ申上げにくいことですが、……じつは、われわれが苦心惨憺してこしらえた皇帝の
替玉が、夕景からホテルを逃げ出してしまいました。……極力、捜査をしておりますが、....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ばこれも因縁ごと、願ってもない決着だというべきでしょうが、残った問題というのは、
替玉をして相続をねがいでたという件だ。が、このほうもしらを切って押しとおせば、ど....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
病の姉を土蔵から運びだし邸の外へつれてゆくなどということは思いもよらず、まして、
替玉になるひとが数々の座敷を通って誰にも見咎められずに土蔵の中へ入ってくるなどと....
「世界漫遊」より 著者:ダビットヤーコプ・ユリウス
て、中に這入る事の出来ない恨を霽らすには足らない。詰まらない友達が羨ましい。あの
替玉の銀行員が、新しい物を見て歩いているのも羨ましい。いくら端倪すべからざるドリ....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
そっくりだから、顔をつくってしまえば、絶対に分りっこありゃしないわよ」 「うまく
替玉になれるか知ら? そして、あんたはどうするの?」 「楽屋の隅にでも隠れている....
「挙国一致体制と国民生活」より 著者:戸坂潤
の方から見れば、この挙国一致なるものは、社会政策の代りとして、国民生活安定問題の
替玉として、現われるのである。 だが私が今云っているのは挙国一致なるもの一般に....