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最大限度
「最大限度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
最大限度の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
じるよりも、神経が立っている話し振りで話した。 「どこの部隊だって、兵タイにゃ、
最大限度の馬力をかけさしているんじゃないか?」 と、柿本は、ふいに、横から云っ....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
た。 上等兵は、機関銃のねらいをきめる役目をしていた。彼は、機関銃のつつさきを
最大限度に空の方へねじ向けた。 弾丸は、坂を馳せ登ってくる百姓や、女の頭の上を....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
るに止めたいと思うのである。凡ゆるものは、原因があって起り、そしてそれ自らが持つ
最大限度には発展し得るものなのである。大衆文芸も亦、私が再三述べて来たように、一....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
ぬけて、やがてゼニバコの街道にさしかかった。そのあたりが、およそ、日帰りの出来る
最大限度であったろう。関重之進たち初老の比較的元気な連中が足を停め、そして離れて....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
ながら知恵の果を盗み過ぎて食傷した猿と評する外ありませぬ。 この種の人々はその
最大限度に於て仮りの本心、仮りの性格に依ってその鼻の表現を支配し得るに止まるので....
「「インガ」」より 著者:宮本百合子
に行く。祭の日にはせいぜいキノか芝居へでも出かける。昔のドミトリーの生活のそれが
最大限度であった。家庭がドミトリーの慰安所であった。 ところが、革命が起った。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
といって、男の方から、女に一目置いているものさえある。 たとえば、男子の潜水の
最大限度が、かりに三分間だとすると、女には五分間もつづく者がある、というようなこ....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
る。ことに今年は実際に小春の好晴がつづき、その上にこの界隈の銀杏の黄葉が丁度その
最大限度の輝きをもって輝く時期に際会したために、その銀杏の黄金色に対比された青空....
「氷河」より 著者:黒島伝治
、どっか柔かい、温かげなものがあった。栗本は、出された甲のすべっこい、小さい手を
最大限度に力を入れて握ったと見せるために、息の根を止め、大便が出る位いきばった。....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
は人に譲るにあることを繰《く》り返《かえ》してあるが、実にその通り。自分の権利を
最大限度に要求することははなはだ卑劣に陥《おちい》る所以《ゆえん》と思う。不思議....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
漂う覚悟がなくてはならないから、米塩、食糧品の類を人数に応じてボウトの包容し得る
最大限度まで積み込まなければならない。船によっては、飲料水や簡単な缶詰などは平日....
「牢獄の半日」より 著者:葉山嘉樹
に向って弾劾演説を始めた。 ――俺たちは、被告だが死刑囚じゃない、俺たちの刑の
最大限度は二ヶ年だ。それもまだ決定されているんじゃない。よしんば死刑になるかも分....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
なく罵り合い、そこへ何かが来るとそら来たと遁げて行く等、彼等の個性と表情は、目下
最大限度にまで展開せられている。しかも夜のしらしらと明けて、爽かな微風が緑の葉を....