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最奥
「最奥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
最奥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
するように遠く思えた。 しかし、彼らはやがて、第二の小屋まで来た。そこは、港の
最奥部で、馬蹄形の頂点になっていた。その小屋からしばらく行くと、彼らは、左へ、海....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
お考えあそばされないで。かえってその意味は、エックハルト(――と、勿論、この事件
最奥の神秘は、そういう超本質的な――形容にも内容にも言語を絶している、あの哲学径....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
こしも腐らずに、今日まで原形を保ってきたのだ。ああ、私は悪魔の尿溜に入りこんで、
最奥の神秘をみた全人類中のたった一人の男だ。 そうして、間もなく死ぬだろうじぶ....
「蒲団」より 著者:田山花袋
い。この悲哀は華やかな青春の悲哀でもなく、単に男女の恋の上の悲哀でもなく、人生の
最奥に秘んでいるある大きな悲哀だ。行く水の流、咲く花の凋落、この自然の底に蟠れる....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
歌も句もなく原を過ぎて、崖の下、小さな流に沿うてまた一つ小屋がある。これが斗満|
最奥の人家で、駅逓から此処まで二里。最後の人家を過ぎてしばらく行く程に、イタヤの....
「悟浄出世」より 著者:中島敦
。その間、渠《かれ》も彼らとともに自然詩人となって宇宙の調和を讃《たた》え、その
最奥《さいおう》の生命に同化することを願うた。自分にとって場違いであるとは感じな....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ど尊いかしれない。けれども悲しいことにはその道徳は常識的、概念的道徳である。生命
最奥の動乱より発するものではない。 次にあなたにいいたきことはあなたの生活はま....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
内閣さえ不可能ではないかも知れぬ、ということになるのだが、それには一方では国家の
最奥深所における一定の意向と、他方では世間大衆の意向とに順応して行くことが、軍部....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
がつながりであること、両者が飽までも大自然の法則の支配下にあること、『神』は最高
最奥の理想的存在であって、神律の実際の行使者は、多くの天使達であること、幸と不幸....
「待つ者」より 著者:豊島与志雄
思われる、メーテルリンク式の運命的なものとは、全然ちがったものである。彼の主観の
最奥に横たわってる運命的なものは、抽象的に拵えあげられた運命などというなまやさし....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
はないか――そう考えると、はやそれから、秘密っぽい匂が感じられて来て、是非にも、
最奥のものを覗き込みたいような、ときめきを覚えるのだった。 もしやしたら、この....
「空家」より 著者:宮崎湖処子
満山隠然として喬木《きょうぼく》茂り、麓《ふもと》には清泉|灑《そそ》げる、村の
最奥の家一軒その趾《あと》に立ちて流れには唐碓《からうす》かけたる、これぞ佐太郎....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
あり、かつ都合もよいように思われるので、それを登ることとして沢を渡り、道に沿うて
最奥の小屋まで行き右に折れて林中を進むと左から来るかなりの沢に出た。十時半である....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
見える、中には石を載せた板屋根もある。白壁も見える、麦の畑桑の畑も見える、早川谷
最奥の部落奈良田であろう。 村に入ると、四、五人の子供が出て来た。いずれも目を....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、また決して許すまじと思い募る激情です。痴というのは馬鹿のことです。私たちの心の
最奥には仏智見と言って完全無欠の霊智があるのですが、その上を無明な痴が遮ぎってい....