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最後の最後
「最後の最後〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
最後の最後の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「火の唇」より 著者:原民喜
とって何なのだ? と急にパセチックな波が昂《たか》まって、この世に苦しむものの、
最後の最後の一番最後のものの姿がパッと閃光を放つ。 ……火の唇 火の唇 ....
「道標」より 著者:宮本百合子
められ、伸子の目の前にあるマヤコフスキーの大きな靴底の鋲は鋭く光りつづけている。
最後の最後まで、モスク※の鋪道で磨りへらされ、みがかれていたことを語る光りかたで....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
負い投げを一本喰わされると、その強烈深刻な刺戟から一ペンに切り離されてしまった。
最後の最後まで自分の意識を突張り支えていた烈火のような変態性慾が、その燃料と共に....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
合国側に供給しておりました巨額の資金と物資が貸し倒れとなるのを恐れまして、今まで
最後の最後の最後通牒を独逸に発しつつ軍備の充実を計る傍ら、形勢を観望しておりまし....
「冥土行進曲」より 著者:夢野久作
でもすると思っているのか。馬鹿……俺は一週間でも一時間でもいい、残っている生命を
最後の最後の一秒までも大切に使うんだ。それよりも早く大寺先生の処へ行って御礼を云....
「超人間X号」より 著者:海野十三
どうする」 「このままにしちゃおけないよ。いったんこうして入口が見つかった以上、
最後の最後まで博士の秘密を見やぶってやろうじゃないか」 「よし、では行って見よう....
「チャアリイは何処にいる」より 著者:牧逸馬
なかにも、心の底では絶えず楽観しきっていた。人間はなにによらずすべての物ごとを、
最後の最後まで、漠然ながら自分にとって有利にのみ信じていたい生物である。この物語....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
これであり、主観一方に盲動しているとしか思われない。 ストを武器にすることは、
最後の最後のものである。小資本の会社では、ストをやるとクビになる。クビになっても....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
して復讐を終った。このまま、人生は終えてしまうことになるが、眼は眼に、耳は耳に、
最後の最後の一人の、涸れ血までも啜りとったわけだ。その、最後の人というのが誰かと....
「円朝花火」より 著者:正岡容
夜に上越す歓びは、感激はなかった。いまズタズタに、めちゃめちゃに、蝕まれつくした
最後の最後の頭のなかで、玉虫色の光に濡れて見えくる大歓喜の景色はすべて、あの夜の....
「胎内」より 著者:三好十郎
込んで来て、そいつを受けて立って、どう、こらえるかだあ。こらえて、こらえぬいて、
最後の最後のドタンバで、どう勝負をつけるかだ。ヒヒ!……まだまだ、こっちのもんだ....
「三国志」より 著者:吉川英治
すなわち、蜀軍の大部分は、疾く前日のうちに五丈原を去り、ただ姜維の一軍のみが
最後の最後まで踏み止まっていたものらしい。 ことに、百姓達にいわせると、 「初....
「三国志」より 著者:吉川英治
であった。皇子は初めから帝の蒙塵にも開城にも大反対で、 「蜀宮を墳としても、魏と
最後の最後まで戦うべきです」 と主張していたが、ついに言は聴かれず、自分と共に....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の父、彼には舅の安東左衛門高貞だった。だがその高貞は、いくら誘ッても来なかった。
最後の最後まで戦って、ついに新田勢の矢風のなかで戦死していた。 「いやだっ」 ....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
分けである官兵衛の父宗円は、さすがに回顧のなつかしさ切なるものがあるらしい。彼は
最後の最後まで、旧館の一棟に住んでいたが、いよいよ秀吉が移ることとなったので、官....