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「最敬礼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

最敬礼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旧主人」より 著者:島崎藤村
棒立のまま――丁度、釘着《くぎづけ》にして了った人のように御成なさいました。 「最敬礼最敬礼」 と丘の上の式場で叫ぶ声は御部屋の内まで響きました。 遽《に....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
達を喚《よ》んで朝のお支度を致させましょう」 と云った。 老人が又改めて長い最敬礼をして退くと、入れ交《かわ》って空色の着物を来た最前《さっき》の小供等が六....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
では私はむしろ田舎の校長がフロックコートの色あせたるものを着用して、うやうやしき最敬礼とともに朗読するところの祝詞において、純粋な心をこめた田舎料理を御馳走にな....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
たのは体操の先生の阪本少尉であった、かれは少尉の顔を見るといつも直立不動の姿勢で最敬礼をするのであった。 「小使い! お茶をくれ」 「はい、お茶を持ってまいりま....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
緑蔭も踏むことだろう。私達の旅のすがただ。詩人の墓も撫でたしナポレオンの帽子にも最敬礼した。西班牙の駅夫とも喧嘩したし、白耳義の巡査にも突き飛ばされた。モンテ・....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
そこで私はただ聖マルタン水族館の門番のように、黙ったままこころのなかで彼女の足へ最敬礼することで満足したのである。 がめたるは一せいに起き上って、絨毯のうえの....
日本文化私観」より 著者:坂口安吾
と大きな鈴をならす綱がぶらさがっていれば、それを鳴らし、お賽銭をあげて、暫く瞑目最敬礼する。お寺が何宗であろうと変りはない。非常なはにかみ屋で、人前で目立つよう....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
だされたのであった。駐在所の前には中平をのぞく部落の戸主が全員集っていた。彼らは最敬礼して久作の出所を迎え、まさに土下座せんばかりの有様であったのは、保久呂天皇....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
大きくなッたのでナミ子がハッとしたときに、ピタリとやんだ。瞑目して、静かに合掌、最敬礼。祷り終ると、サヨナラも云わずに、さッさと戻ってしまった。 そう長くは待....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
荘重なオルガンのクラシカルな音。女の子の美しい、高い声での唱歌。厳かな勅語捧読、最敬礼、菊の紋章のついたお菓子を貰って、その日はお休みだ。菊の薫りのように徳の薫....
地上」より 著者:島田清次郎
く榊をささげる。その静黙の夜空を遠く大砲の音が、どおん、どおんと響いて来た。 「最敬礼!」闇に六百の少年は長い敬虔な敬礼を行なった。そして頭を挙げたときには、も....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
手に、むだ口を叩いたりふざけたりしはじめた。『おおわが女王さま』とか何とか言って最敬礼するかと思えば、にやにや笑って見せたり、出会いがしらにぐいと抱きしめようと....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
っと道で逢っても貧乏な乞食|坊主のような修験者に立派な紳士が舌を出して頭を下げて最敬礼をやって居るです。だがこのンガクバはそれだけ大収入を得るに反して、もし霰で....
西航日録」より 著者:井上円了
もの、みな氏を見て合掌の礼を行う。その中には舌を出だすものあり。出舌はチベットの最敬礼なりという。笑うべきの至りなり。氏は当地にあるラマ寺の住職に余を紹介し、こ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
風来の魔法使奴が己にえらい迷惑を掛けおった。 大司祭 (また帰り来て、最敬礼を行ひつゝ。) 今一つ申し上げます。あの評判の悪い男に、 全国の海岸をお....