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「最深〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

最深の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
善の研究」より 著者:西田幾多郎
る思想が偽であるかというに、我々はいつでも意識体系の中で最も有力なる者、即ち最大最深なる体系を客観的実在と信じ、これに合った場合を真理、これと衝突した場合を偽と....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、呉一郎は第二次の就寝後三十分乃至一時間の後に、かかる夢中遊行状態の起り得べき、最深度の熟睡に陥りたるものなる事を察し得べし。而して、第二回の払暁時の覚醒は、平....
戦場」より 著者:夢野久作
れ右をした。 トタンに照明弾が消えて四周が急に青暗くなってしまった。網膜が作る最深度の灰色の暗黒の中に、何もかもグーンと消え込んで行ってしまった。 「……軍医....
甲賀三郎氏に答う」より 著者:夢野久作
奇美、醜悪美を掲出し、そのグロ味、エロ味の変態美を凄動させ、その結論として、その最深部に潜在する良心、純情をドン底まで戦慄させ、驚駭させ、失神させなければ満足し....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ように対象物を一の特定の方面より眺めたる相対的真理にすぎない。いまだ物そのものの最深なる真相ではないのである。最深の真理はわれらが実行的目的より離れて、純粋に事....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
は手紙であって、而も手紙でないようなものになるでしょう。私が自身について眺め得る最深の観察と客観的な追究の可能が自覚されて居ります、かくて、私の思考力は最も真面....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
くのです。狡智や張りこの理屈や、そんなものはここまで持たないものです、人間関係の最深の地盤まで掘りぬく力は、まともさのみであり、それによって信頼が貫かれたとき、....
故郷」より 著者:豊島与志雄
央に一つ屹立している中島には、水辺より頂まで原生林が欝蒼と茂り、五号色の碧水が、最深度千八百米突まで、深々と湛えている、比類稀なほど円満な湖水である。 この湖....
学生と読書」より 著者:倉田百三
それを把握するためにはそれに対応する直観的英知によらねばならぬ。さらに生の真理の最深部は啓示によるのでないならとらえることができぬ。否それはわれわれがとらえるの....
肌色の月」より 著者:久生十蘭
藻は思ったほどではありません……湖岸と湖棚を終りましたから、午後から標識を入れて最深部をやります」 「ご苦労さん……夕方までに揚らなかったら、明日からアクア・ラ....
反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
して向上してゆく過程を学ばなければならぬ。源氏物語は日本の中世に於ける、日本人の最深い反省を書いた、反省の書だと言うことが出来るのである。....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
すます人生に対して積極的になります。 私は人生を呪うことができません。これ私の最深の恵みです。どうぞ私のために祈って下さい。 私はあなたのアリストクラチック....
撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
は、一ヶ月のうち大潮の三十時間しか、役に立たない、というのも、この三十時間だけは最深約三フィートの水量がありますけれども、そのほかの時は殆んどカラカラに乾上るの....
不苦心談」より 著者:森鴎外
った。人が何かと問うた。賊は「白状するな」と云ったと云うのである。これは処世法の最深刻なるものかも知れない。これに反して、人に余儀なくせられたのでなく、ことさら....
墓場」より 著者:西尾正
片割れ月の下で踊っているのを見つめながら、――かの忌むべき、ひらかれた墓の内部の最深淵から上がって来る声を、はっきりと聞きました。 声はこう言ったのです。――....