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月並
「月並〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
月並の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
でね。何をどうしたんだか、今朝《けさ》になってみると、まるで夢のような始末で」と
月並な嘘を云っているが、実は踊ったのも、眠てしまったのも、いまだにちゃんと覚えて....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
驚嘆している。
作家所生の言葉
「振っている」「高等遊民」「露悪家」「
月並み」等の言葉の文壇に行われるようになったのは夏目先生から始まっている。こう言....
「或る女」より 著者:有島武郎
、木部は二十五という若い齢《とし》で、ある大新聞社の従軍記者になってシナに渡り、
月並みな通信文の多い中に、きわだって観察の飛び離れた心力のゆらいだ文章を発表して....
「星座」より 著者:有島武郎
った。長い生活の経験と、親というものの力が美しく働いているらしいのを感じて、その
月並な会話にもけっして不快は感じなかった。
園はおぬいさんが進めてくれた茶を静....
「赤外線男」より 著者:海野十三
られました。あれは最も平凡な、世間にザラにある持ちものを集められたのです。いわば
月並の衣類なり所持品です。それがうまく効を奏して隅田氏の妹と間違えられたのです。....
「画学校時代」より 著者:上村松園
人物画の参考がすくなかったのです。 当時、京都に如雲社といって、京都画壇連合の
月並展覧会が、今の弥栄倶楽部の辺にあった有楽館でひらかれましたが、世話人がお寺や....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
は。」 「うっかり下町にだってあるもんですか。」 「などと云うがね、お前もお長屋
月並だ。……生きてるうちは、そうまでは讃めない奴さ、顔がちっと強すぎる、何のって....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
らの贔屓連が、六七十人、多い時は百人に余る大一座で、すき焼で、心置かず隔てのない
月並の会……というと、俳人には禁句らしいが、そこらは凡杯で悟っているから、一向に....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
その。」 ああ、そうか、思い出した。この真珠の本店が築地の割烹懐石で、そこに、
月並に、懇意なものの会がある。客が立込んだ時ここから選抜きで助けに来た、その一人....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
で、どうやら他人とは思えません。」 婆さんはこの時、滝登の懸物、柱かけの生花、
月並の発句を書きつけた額などを静に※したから、判事も釣込まれてなぜとはなくあたり....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
らの世界に目覚めてからの一伍一什を私に物語ってくれましたが、それは私達のような、
月並な婦女の通った路とは大へんに趣が異いまして、随分苦労も多く、又変化にも富んで....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
る。それにも拘らず科学小説時代が来ないのはどうしたわけであろうか。その答は極めて
月並である。すなわち今日の小説家に科学を取扱う力がないからである。 或る小説家....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
リ……だが、これが悪縁になってくれなければ好いが、少々心配だて」 「宗匠、大層、
月並の事を仰有いますね」 「何が
月並だよ」 「だって、吉かれ凶しかれ事件さえ起れ....
「三人の師」より 著者:上村松園
いすこぶる豪快なところがあった。 毎月十五日には鈴木百年・鈴木松年の両社合併の
月並会が丸山公園の平野屋の近くの牡丹畑という料亭で開かれたが、各自が自分の得意の....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
使栗本に兵力を貸そうと提議した顛末を夢物語風に書いたもので、文章は乾枯びていたが
月並な翻訳伝記の『経世偉勲』よりも面白く読まれた。『経世偉勲』は実は再び世間に顔....