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「月中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

月中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妙な話」より 著者:芥川竜之介
》せから、自動車に乗るのを送りに行った。するともう一度後から、「奥様、旦那様は来月中に、御帰りになるそうですよ。」と、はっきり誰かが声をかけた。その時も千枝子は....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ある機会で、予《よ》は下《しも》に掲げる二つの手紙を手に入れた。一つは本年二月中旬、もう一つは三月上旬、――警察署長の許へ、郵税|先払《さきばら》いで送られ....
忠義」より 著者:芥川竜之介
ん》の起る前兆が、後《のち》になって考えれば、幾つもあった。――第一に、その年三月中旬、品川|伊佐羅子《いさらご》の上屋敷《かみやしき》が、火事で焼けた。これは....
姪子」より 著者:伊藤左千夫
ください、わし忌ま忌ましくなんねいことがあっですよ、あの八田の吉兵エですがね、先月中あなた、山刈と草刈と三丁|宛《ずつ》、吟味して打ってくれちもんですから、こっ....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
、それを待っているにしくはないと考えた。 「先生も御如才はないでしょうが――この月中が肝心ですから、ね」と、お袋の別れの言葉はまたこうであった。 「無論ですとも....
春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
日遅れて入って見たら、すべての谷が雪崩れた後であった。年によって違うであろうが三月中に入る方が安全である。 グルンドラヴィーネに会ったら一たまりもない。そして....
栃の実」より 著者:泉鏡花
の山懐に抱かれた事はいうまでもなかろう。――武生は昔の府中である。 その年は八月中旬、近江、越前の国境に凄じい山嘯の洪水があって、いつも敦賀――其処から汽車が....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
籠屋は泊の町へ引上げるくらい。賑いますのは花の時分、盛夏|三伏の頃、唯今はもう九月中旬、秋の初で、北国は早く涼風が立ますから、これが逗留の客と云う程の者もなく、....
故郷」より 著者:井上紅梅
その年はちょうど三十何年目に一度廻って来る家の大祭の年に当り、祭は鄭重を極め、正月中掲げられた影像の前には多くの供え物をなし、祭器の撰択が八釜しく行われ、参詣人....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
し註解。 そのうちに、ファラデーに同情する人も出来て来た。一八一四年七月から九月中旬までゼネバに滞在していたが、デ・ラ・リーブはデビーの名声に眩まさるることな....
余齢初旅」より 著者:上村松園
人だかりもしない、実に妙な悲惨なところである。 そうして蘇州へ行った時は、十一月中頃の寒い晩であった。そうすると上海中で昨夜の寒気で百人ほどの死人があったとい....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
一昨日、哲学館において井上円了氏の演ぜし妖怪取り調べ報告の大要を聞くに、左のごとし。 昨年十一月中旬より、山梨県北都留郡(すなわち、いわゆる郡内)大目村、杉本永山氏の宅に一大....
妖怪報告」より 著者:井上円了
ならびに解釈は、奇夢研究の参考となるべきものなれば、その全文を掲ぐ。 客年十二月中のこととか、友人の家に雇い入れおきし男、夜中しきりにうなされ、いかにも困苦の....
西航日録」より 著者:井上円了
に入る。その間、毎日快晴。涼風船上を払い、暑気大いに減ずるを覚ゆ。ことに毎夕、明月中天に懸かり、四面雲影を見ず。蒼海渺茫としてただ流光の波間に躍るを見るは、また....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
から三年への年末年始は、これを携えて伊豆の日蓮聖人の聖蹟に至り、構想を整頓して正月中頃から起草を始めようとしたとき、流感にかかり中止。その後、再び着手しようとす....