月半ば[語句情報] »
月半ば
「月半ば〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
月半ばの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疲労」より 著者:国木田独歩
けているくらいで、年じゅう十二三人から三十人までの客があるとの事。 ある年の五
月半ばごろである。帳場にすわっておる番頭の一人《ひとり》が通りがかりの女中を呼ん....
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
落ちようとしていた。牛や馬の群が、背に夕日をあびて、草原をのろのろ歩いていた。十
月半ばのことだ。 坂本は、 「腹がへったなあ。」と云ってあくびをした。 「内地....
「俊寛」より 著者:菊池寛
に下り、そこの便船を求めて、硫黄商人の船に乗り、鬼界ヶ島へ来たのは、文治二年の如
月半ばのことだった。 寿永四年に、平家の一門はことごとく西海の藻屑となり、今は....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
めと思ってる隣の家にうかうか半年を過ごしたのである。その年もようやく暮れて、十二
月半ばごろに突如として省作の縁談が起こった。隣村|某家へ婿養子になることにほぼ定....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
びしい不安に充ちた生活をしていました。彼女は、ここを立ち去る力もなく、ただ八月の
月半ばまでには帰って来るであろうところの私を待ち佗びていたのです。その待ちに待た....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
て僕は、こうしてほとんど毎日のように警察本部に日参しながら、不安と不愉快との一カ
月半ばかりを暮した。 三 実際いやになっちゃった。 四月一日の大会はまたまた....
「獄中記」より 著者:大杉栄
出たらゆっくり諸君と語ろう。同志諸君によろしく。」 鬼界ヶ島の俊寛 出て一カ
月半ばかりして、こんどは堺や山川やその他三人の仲間と一緒に、例の屋上演説事件でま....
「二少女」より 著者:国木田独歩
って中には今の世間に能くある例を引て善くない噂を立てる連中もあった。 すると一
月半ばかり前からお秀は全然局に出なくなった。初は一週間の病気届、これは正規で別に....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
くような騒ぎだぞ。」「まだ通れないのか、そうかなあ。」店の女房も立って出た。「来
月半ばまで掛るんだとよう。」「いや、難有う。さあ引返しだ。……いやしくも温泉場に....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
た。 それには眼もくれないように、侍と奴どもは悠々と茶をのんでいた。明暦初年三
月半ばで、もう八つ(午後二時)過ぎの春の日は茶店の浅いひさしを滑って、桜の影を彼....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
シニが鋼鉄の針に太陽の光をあてて磁石にするという、あやしい実験をも附した。 五
月半ばには再度ベスビアスに登ったが、二度目の時は丁度噴火のあった際であり、それに....
「奉行と人相学」より 著者:菊池寛
七の日は休みでござればその日……」 と云わずに居られなかった。 こうして、二
月半ばかり、左膳の教授を受けたが、もう左膳の方には教えることがなくなった。 「御....
「画道と女性」より 著者:上村松園
とにした。幸い下図は以前のものが残してあったので、それを本紙に写し掛けたのが十二
月半ば頃ででもあったでしょうか。 図組みはそっくり以前のままを使い、色彩も向っ....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
東京へ遁げかえる覚悟をして言った。 「御新姐の似顔ならば本懐です。」―― 十二
月半ばである。日短かな暮方に、寒い縁側の戸を引いて――震災後のたてつけのくるいの....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
聞いて見ると全く今いったような大きな雹であるです。そういう雹が降ってからして、一
月半ばかりは通行が止まって居ってようようこの頃道が開けたというような事です。そこ....