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月収
「月収〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
月収の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
ものさ。何しろ前清の末年《ばつねん》にいた強盗蔡《ごうとうさい》などと言うやつは
月収一万元を越していたんだからね。こいつは上海《シャンハイ》の租界の外に堂々たる....
「皮膚と心」より 著者:太宰治
で、もちろん先方には財産などある筈はなく、三十五歳、少し腕のよい図案工であって、
月収は二百円もそれ以上もはいる月があるそうですが、また、なんにもはいらぬ月もあっ....
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
して月俸百円とか二百円、或は十年二十年、刻苦研鑽を重ねて立派な学者に成った者が、
月収僅かに幾十円というのが世間に多い、否それが現代の実状実相である、此連中には世....
「道草」より 著者:夏目漱石
の一面識しかない男に話さなければならなくなった。彼は自己の手に入る百二、三十円の
月収が、どう消費されつつあるかを詳しく説明して、月々あとに残るものは零《ゼロ》だ....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
の二割を左の方法によって増給すること。 方法、下級(下級とは何だ!)船員全体の
月収高の総計の二割を、下級船員の人頭数に平均に配分し、これを在来の賃銀に付加する....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
囲は前記四社所属の監督、俳優などの過半数であって、いやしくも一技能ある俳優ならば
月収四、五十円程度のものまで登録されているというから意外に広範囲にわたっているこ....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
それに、この編輯者め――悪魔である。父が見たら、何んなにびっくりするであろうか。
月収六七十円の古着屋の、六十歳の親爺が、月二十五円ずつを倅の為に割《さ》いてくれ....
「鬼畜の言葉」より 著者:宮本百合子
一助だろう」。重ねて鈴木文史朗は「大家族をもっている月給取りは子供の少い上役より
月収が多い。これは一面子供多産の奨励のようなものだ」といっているのである。読売新....
「夢の図」より 著者:豊島与志雄
るし、身辺の面倒までみてくれる。それで彼は自分一身の処置さえすればよいのである。
月収ほぼ百三十円だから、贅沢さえしなければ、二十円くらいはあまし得る。 室のす....
「太宰治情死考」より 著者:坂口安吾
新聞によると、太宰の
月収二十万円、毎日カストリ二千円飲み、五十円の借家にすんで、雨漏りを直さず。 ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
いの。」 「そんなに、早く結婚なんかしないわ。つまんないもの。それに、美沢さんの
月収、いくらもないのよ。美和子のお小遣いくらい自分で稼げばうれしいわ。ねえ、美和....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
昭和八、九年ごろから十三年ごろまでは一番楽な時代で、この間はずつと八百円くらいの
月収があつたから、保険をかけ、貯金をし、家具を備え、衣類を買うことができた。 ....
「犠牲者」より 著者:平林初之輔
が、此の世の中にあり得るなどと考えたことすらもなかった。夫婦の生活というものは、
月収七十五円の範囲内で営まるべきものと神代の昔からきまっているように想像していた....
「誰が何故彼を殺したか」より 著者:平林初之輔
。 妻求 二十五歳迄の婦人を求む、仕度不要再婚妨げず。当方三十四歳、法学士
月収三百円係累なし、本人来談。姓名在社 彼女は、この広告を見たとき、どう....
「食べたり君よ」より 著者:古川緑波
ものを毎日、思うさま食えるような身分になりたい。それには、何《ど》うしても千円の
月収が無ければ駄目だぞ、よし! と発憤したものである。 それから十何年経って、....