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月形
「月形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
月形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ちらでも善かった。が、重吉は舅《しゅうと》よりも寧《むし》ろお鈴の思惑を考え、半
月形の窓越しに熱心に事務員と交渉した。
「実は手遅れになった病人だしするから、せ....
「冬」より 著者:芥川竜之介
いるのは共同便所にそっくりだった。面会室の正面にこれも狭い廊下《ろうか》越しに半
月形《はんげつがた》の窓が一つあり、面会人はこの窓の向うに顔を顕《あら》わす仕組....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
る頃から、岩の多い路はいちじるしく屈曲して、あるいは高く、あるいは低く、さらに半
月形をなした第二の石門をくぐると、蟹の横這いとか、釣瓶さがりとか、片手繰りとか、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。像面からうける感じは、愛くるしいと云うよりも、むしろ異端的な美しさだった。半
月形をしたルーベンス眉や、唇の両端が釣り上ったいわゆる覆舟口などと云うのは、元来....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
た。中には、なにかかたいものがある。 絹のきれをあけると、中から出て来たのは半
月形の平ったい金属板だった。かなり重い。そして夜目にもぴかぴかと黄いろく光ってい....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
地球がいま丁度夜明けと見えて、大きな円屋根のような球体の端が、太陽の光をうけて半
月形に金色に美しくかがやきだしたところだった。 蜂谷艇長は、観測台のところに立....
「雷」より 著者:海野十三
、六にもなろうという楚々として立ち姿の美しい婦人が挨拶をした。筆で描いたような半
月形の眉の下に、赤く泣き腫れた瞼があって、云いは云ったが、その心の切なさをギュッ....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
そして頤の張った顔を正面に向け、高い鼻をツンと前に伸ばし、その下に切り込んだ三日
月形の口孔の奥には高声器が見え、それから円らな二つの眼は光電管でできていた。また....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
、また第三の水車、第四、第五と続いたのが見えます。流の折曲る処に、第六のが半輪の
月形に覗いていました。――見る内に、その第一の水車の歯へ、一輪紅椿が引掛った――....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
て、頭からその幕へ潜ったのを見た。――筵舞台は行儀わるく、両方へ歪んだが。 半
月形に、ほかほかとのぼせた顔して、取廻わした、小さな見物、わやわやとまた一動揺。....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
た。 と見ると、蒼白く透った、その背筋を捩って、貴婦人の膝へ伸し上りざまに、半
月形の乳房をなぞえに、脇腹を反らしながら、ぐいと上げた手を、貴婦人の頸へ巻いて、....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
な示唆となつているようである。 台湾巡業中に見た映画は片岡千恵蔵「三日大名」、
月形龍之介「道中秘記」、嵐寛寿郎「鬼あざみ」、それから伊藤の「忠次信州血笑篇」な....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
に突いていた。破戒無残なる堕落坊主。併し其眉毛は濃く太く、眼光は鋭く、額には三ヶ
月形の刀痕さえ有った。 水滸伝の花和尚魯智深も斯くやと見えるのであった。 「畜....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
金持の邸の玄関道が妙に曲っているのでそのカーヴの線と表通りの直線とに挟まれて三日
月形になった空地がある。信託会社の分譲地の柱が立っている。ふさがっているのは表通....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
壁の明り窓のない部屋であった。周囲を杉の皮で張って泥絵具で枝を描き、畳の隅に三日
月形の穴を開け、下から微かに光線を取って昼なお暗き大森林を偲ばしめる趣向で、これ....