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月掛
「月掛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
月掛の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
ほのぼのとした自尊心の満足があった。しかしその満足がもっと完全になるまで、もう三
月掛った。翌年の三月、白紙の答案を補うに充分なほどの成績を取って進級するところを....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
神経とが入るなり感じられる様子であった。話のはこび工合から、ひろ子はつれの男を、
月掛無尽会社か何かそういう種類の会社の支店長であり、女はその部下の女集金人と判断....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たところが生来の疳癪《かんしゃく》持ちで、何か思う通りにならぬ時は一夕たちまち数
月掛かって儲けた金を討ち死にと称して飲んでしまう。一度ならよいが幾度も幾度も討ち....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
うた榊をもって、そのあしきを払うようなものである。 いわんや、銑吉のごとき、お
月掛なみの氏子をや。 その志を、あわれむ男が、いくらか思を通わせてやろうという....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
居る処へカリブ人が行き遇わせ、揺り醒《さ》ましてかの樹の下へ案内させ、石の斧で数
月掛かってその樹を伐り分け、毎人その一片を自分の畑へ栽《う》えてから銘々専食すべ....
「農村」より 著者:宮本百合子
うなのに、白足袋に草履《ぞうり》があんまり上品すぎる。 足の方を見ると、神社の
月掛けを集めて廻る男の様な気がする。年の割にしては小綺麗に見える人だ。二夫婦一緒....
「鬼」より 著者:織田作之助
「へらすと言ったって、途中でやめるわけに行かぬ連載物が五つあるんだ。これだけで一
月掛ってしまうよ。あと、ラジオと芝居を約束してるし、封鎖だから書けんと断るのは、....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
ことに珍らしい芸人でござりました」とくわしく説明した。 「ふむ、それを当村でも先
月掛けたのだな。豊年祝としてなァ」と純之進は凶作を言立てられぬように釘を刺した。....
「西航日録」より 著者:井上円了
ンベイよりアデンまで、海路一千六百五十海里余なりという。 印度洋中気似秋、清風涼
月掛檣頭、夜来始認烟如帯、即是亜羅比亜州。 (印度洋上の気候は秋に似て、清らかな....