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「月末〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

月末の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
》らか味を持っていた。東向きの腰高窓《こしだかまど》には、もう冬といっていい十一月末の日が熱のない強い光を射《い》つけて、アメリカから買って帰った上等の香水をふ....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
ちの鑑定を裏書きしてしまった。そして四つと三つと二つとになるお前たちを残して、十月末の淋しい秋の日に、母上は入院せねばならぬ体となってしまった。 私は日中の仕....
星座」より 著者:有島武郎
ん、活動写真は明日から廃業だな。先生ウ※スキーで夢中になっているな。子供だなあ」月末にはまだ三日もある今夜|報酬《ほうしゅう》をくれるというのもそれで読めた。と....
弓町より」より 著者:石川啄木
の事情に迫られた時でなければ、詩が作れぬというような奇妙なことになってしまった。月末になるとよく詩ができた。それは、月末になると自分を軽蔑せねばならぬような事情....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、はい、どうせ無代価で頂戴いたしますものでございます。めのさんのお魚は、現金にも月末にも、ついぞ、お代をお取り遊ばしたことはございません。」 「皮肉を言うぜ。何....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
タイヘンスマナク思ッテイマス。イツカオヒマガアッタラ御教示ヲ願イマス。 十月末」 こう思ったままを書きなぐった手紙がどれほど私を動かしたか。君にはちょっ....
去年」より 著者:伊藤左千夫
一時のつけ元気で苦しさをまぎらかしたのも、姑息の安を偸んでわずかに頭を休めたのも月末という事実問題でひとたまりもなく打ちこわされてしまう。 臆病心がいよいよこ....
春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
だから、上の雪が雪崩れたら、アイスクリーパーの外は役にたたないが、それは恐らく四月末のことであろう。 坊主の辺から肩までは、ひどく急な雪の壁で三方をめぐらされ....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
裏のバラック建のアパアトの小使、兼番人で佗しく住んだ。身辺の寒さ寂しさよ。……霜月末の風の夜や……破蒲団の置炬燵に、歯の抜けた頤を埋め、この奥に目あり霞めり。―....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ャ、トルコの方面までも旅行したい希望であったが、見合わすこととなり、一八一五年二月末、ネープルに赴いてベスビアス山に登り、前年の時よりも噴火の一層活動せるを見て....
競馬」より 著者:犬田卯
りした時分にあったのだ。仙太が今、女房には内密で持ち出した五円札も、実はそうした月末の納税にぜひ必要なものだった。 ――十倍にして返さい! 畜生、けちけちしやが....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
になった義理がある……先生の内意も伺った上……そこで大野木をたずねたのですが、九月末、もう、朝夕は身にしみますのに、羽織は衣がえの時から……質です。 ゆかた一....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
かせたあげくが工場へ遣られて、それが三日おき四日おきに、五銭十銭と取りに来る……月末の工賃はね、嫁入支度に預るいうて洗いざらい持って行って、――さあ、否でも応で....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
つとも佐太郎の眼をひきつける頬の紅いボツと眼のうるんだ娘であつた。が、翌る年の三月末の卒業式と同時に、初世は佐太郎の眼の前から姿を消した。それ以来幾月というもの....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
。正月に入って主として出張先の宿屋で書きつづけ二月十二日辛うじて脱稿した。 二月末高木清寿氏来訪、原稿をお貸ししたところ、執拗に出版を強要せられ遂に屈伏してし....