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「月来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

月来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
だんじて》復長嘯《またちょうしょうす》、深林《しんりん》人不知《ひとしらず》、明月来《めいげつきたりて》相照《あいてらす》。ただ二十字のうちに優《ゆう》に別乾坤....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
みにお出でなさるのは、あの経師職の息子さんばかりで……」 「経師職の息子さんは毎月来るかね」 「はい、お若いのに御奇特なお方で……。きのうもお詣りに見えました」....
蒲団」より 著者:田山花袋
男は宗教的資格を全く失ったということ、帰るべく家をも国をも持たぬということ、二三月来|飄零の結果|漸く東京に前途の光明を認め始めたのに、それを捨てて去るに忍びぬ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の北沢から切組舞台を荷車で挽いて来た。昨日は終日舞台かけで、村で唯一人の大工は先月来仕かけて居る彼が家の仕事を休んで舞台や桟敷をかけた。今夜は愈芝居である。 ....
光と風と夢」より 著者:中島敦
を納得させるのがリアリズム。読者を魅するものがロマンティシズム。 七月×日 先月来の悪性の感冒も漸《ようや》く癒《い》え、この二三日、続けて、碇泊中《ていはく....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
マルな状態に復したなどとは誰も考えないだろう。事実は全くその反対だ。仮にこの数カ月来二・二六事件の結果、雨降って地固るというような事情が見て取れるにしても、社会....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
林は今その屍骸の斬り口を検査して見て、舌を捲いているところでありました。この一カ月来、これで四度辻斬があったのに、そのうち三度まで小林は立会っていました。 先....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を思いつくや否や、楽想《がくそう》は湧然《ゆうぜん》として湧《わ》いてきた。数か月来貯水池にたまっていた水量が、堤防を破って一挙に流れ出すのにも似ていた。彼は一....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ことがあろうとは、かつて思ってもみなかった。 ある晩、食事のあとに、彼女は数か月来のめんどうな刺繍《ししゅう》をなし終えた。うれしい心地がした。一度クリストフ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
》回しとして、まず内心に咲き乱れてる花に誇らかに酔って、陶然としてしまった。数か月来押えつけられていたのが、にわかに春が来たように、一時に咲きそろった花であった....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
トをかわいがることで一致していた。 娘は十三歳であった。いつも病気だった。数か月来|股関節炎《こかんせつえん》のために床についたきりで、樹皮の中にはいったダフ....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
斯う彼等の友達の一人が、Kが東京を発った後で云っていた。それほど彼はこの三四ヵ月来Kにはいろ/\厄介をかけて来ていたのであった。 この三四ヵ月程の間に、彼は....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
篇、僕の「猫」を一頁ほどもらいたいと申してきたり。どうか承諾してやって下さい。寒月来って今度の「猫」を攻撃し森田白楊これに和す。漱石これに降る。ただ今『新小説』....
西航日録」より 著者:井上円了
および著書をもってす。その中に『羅浮紀游』一帙あり。その詩中に「焚、猿鶴共一席、月来百花醒、雲睡万壑寂」(香を焚いて静かな竹林にむかえば、風流を解する猿と鶴とが....
獄中通信」より 著者:戸坂潤
。今年は去年よりも良い年であるように。松の内もすぎたが、年頭に際し、お父さんの九月来の勉強の報告をしておこう。専ら仏教の勉強だ。仏教関係の書物二十五冊以上、内、....