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月毛
「月毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
月毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
両方に刃のついた剣《つるぎ》やら、水晶を削《けず》った勾玉やら、逞《たく》ましい
月毛《つきげ》の馬やらが、はっきりと浮び上って来た。彼は誘惑を避けるように、思わ....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
。見えたのはただ萩重《はぎがさ》ねらしい、衣《きぬ》の色ばかりでございます。馬は
月毛《つきげ》の、――確か法師髪《ほうしがみ》の馬のようでございました。丈《たけ....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
立烏帽子白妙の練絹を以て行人包になし、二尺四寸五分順慶長光の太刀を抜き放ち、放生
月毛と名づくる名馬に跨り、摩利支天の再来を思わせる恰好をしていた。 今や、信玄....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
門尉が五千騎に向って、浅木辺より進軍する武田勢三千、その真先に、白覆輪の鞍置いた
月毛の馬を躍らし、卯の花|縅の鎧に錆色の星冑|鍬形打ったのを着け、白旗の指物なび....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
かだったとある。日本にも、源範頼《みなもとののりより》肥後の菊池の軍功を感じ、虎
月毛を賜う、世々持ち伝え永禄年中まで存せり、その頃大友|義鎮《よししげ》、武威九....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ると白巾《はっきん》に面《かお》を包み、萌黄《もえぎ》の胴肩衣《どうかたぎぬ》、
月毛の馬に乗って三尺余りの長光《ながみつ》を抜き翳《かざ》した英雄が、サッと波打....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
だりますねえ、馬をねえ、えゝ、なにを存じて居ろうが、お父様がお逝去前からある大白
月毛の馬、彼れは歳を老っては居るが、癖のない好い馬で、あれを遣ろう、荒く騎らずに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
n Bear よりは少し小さい。 ヒマラヤ黒熊というのは、特徴の一つとして胸に
月毛がある。 さて、日本の熊は、このヒマラヤ黒熊の地方種といってよかろう。 ....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
所のヤーフの群を訪問させてください、と私は頼みました。主人は快く承知して、召使の
月毛の子馬を、私の附添いに命じました。この附添いがいなかったら、とても私はヤーフ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
て高く買ったでなかろうか。日本でも上杉家の勇将|新発田《しばた》因幡守治長は、染
月毛てふ名馬の、尾至って白きを、茜《あかね》の汁で年来染むると、真紅の糸を乱し掛....
「源氏物語」より 著者:紫式部
の心に恋しかった。この馬に乗ったままで京へ行ってしまいたい気がした。 秋の夜の
月毛の駒《こま》よ我が恋ふる雲井に駈《か》けれ時の間も見ん と独言《ひとりご....
「武蔵野」より 著者:山田美妙
ぼしいを附けおるを打ち止めなされよ。また殿で敵に向いなさるなら、鹿毛か、葦毛か、
月毛か、栗毛か、馬の太く逞しきに騎った大将を打ち取りなされよ。婦人の甲斐なさ、そ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
「……越後国|頸城《けいせい》郡林泉寺村真日山林泉寺に馬頭観音と祭られたる法性
月毛の十寸六寸《ときろくすん》にあまる名馬に打ち跨り……」 カチカチカチカチン....
「三国志」より 著者:吉川英治
た。 「ご推察にたがわず、これへ向ってくる敵軍の大将らしき者は、まさしく鮮やかな
月毛の白馬に乗っています。今しも、その大将の指揮の下に、敵全軍は、炎熱をおかして....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
――こう六波羅の高氏から招きがあって、義貞は、その夕、 「行かずばなるまい。
月毛の背に新しい鞍をおけ」 と、近侍の瓜生保に、駒支度をいいつけ、自身もすずや....