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「月給取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

月給取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
白からず。 正直の頭《こうべ》に宿るという神を奉祀する神職と、何の深い念慮なき月給取りが、あるいは脅迫あるいは甘言もて強いて人民に請願書に調印せしめ、さて政府....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
腰弁」という名称の起りは、腰にブラブラしたアルミの弁当からであるが、それが今では月給取りの総称になってしまった。そうして本当の腰弁はその中の最下層に位する事にな....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ことであるから、それくらいのたくらみはしかねないだろう。 「どうせ、二、三十円の月給取りだろうが、そんな者の嬶アになってどうするんだ?」 「お前さんのような借金....
美しき月夜」より 著者:宮本百合子
うな生活が、彼等の結婚後三年の月日を満たして今日に至ったのである。 Wが、安い月給取りであるということ、彼の妻は、また彼にふさわしいよき主婦であるということは....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
な言葉で御座いました。 「……ソ――ラ、又、先生一流の愚痴の紋切型が初まった。安月給取りの蓄音器じゃあるまいし、もうソロソロ蝋管を取り換えちゃどうです。今の人間....
母親」より 著者:若杉鳥子
と、みを子はどうしてもうまく行かなかった。そればかりでなく、職工であって、同時に月給取りである彼は、青年労働者の生活がどうすればよくなる――なんて、初歩的なこと....
一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」より 著者:宮本百合子
とれぬ落付きでもあったろう」としんみり述懐しているのである。父が破産するに及んで月給取りになった久内は、こうもつぶやいている。「むかし自分の頭を占めて離れなかっ....
鬼畜の言葉」より 著者:宮本百合子
産児制限と国の工業化が解決の一助だろう」。重ねて鈴木文史朗は「大家族をもっている月給取りは子供の少い上役より月収が多い。これは一面子供多産の奨励のようなものだ」....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
った処で、実際的には依然として何のことか判らぬ。銀行の窓口で現金を取り扱っている月給取りが知識的労働者ならば、エンジンの故障を直し直し運転しなければならないバス....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
通じていなかったので、横浜から船に乗り、函館を経て小樽に上陸、札幌に着いた。私は月給取りになるのがいやで、開墾最中の北海道なら何か面白い仕事があるだろうと、はる....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
でない。いわば霊魂《たましい》の教育をお頼みするのである。かかる重大事を十五円の月給取りに頼むことはあまり心もとない。つい乳母《うば》や子守を頼むような気になる....
映画と民族性」より 著者:伊丹万作
つて、百姓の姿を醜く感じるようなものはないはずである。百姓の姿は醜く、背広を着た月給取りは美しいというのか。そして、貧しい勤労者の生活を描くことは恥辱で、富みて....
深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
り心は悪くない。殊に三十五銭の上等弁当のごときは、我れわれのような学生あがりの安月給取りには贅沢過ぎるほどの副食物をもって満たされているので、わたしはこの鉄道に....
すみだ川」より 著者:永井荷風
から、お豊は三度の飯を二度にしても、行く行くはわが児《こ》を大学校に入れて立派な月給取りにせねばならぬと思っている。 蘿月|宗匠《そうしょう》は冷えた茶を飲干....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
見せなかったそうだ。それも一つ何百円とか、新円成金が買ったぐらいのことで、とても月給取りの手に入るべくもなかった。田川先生は、ちょいちょい見舞いに来ては、水瓜を....