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「月頃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

月頃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蛇の死」より 著者:海野十三
であった。 然し魔は何処に潜んでいるか計り知れぬ。それ程気の強いお由が、この正月頃から臆病な大学生山名国太郎にすっかり魂を打ち込んでしまったのだから――。二人....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
に緑というような強烈な色彩の蝋紙が、あたりに散ばっていた。何のことはない、陽春四月頃の花壇の中に坐ったような光景だった。向うの隅で、麻の糸つなぎをやっている囚人....
地球盗難」より 著者:海野十三
かりお聞きになるのネ。赤蜻蛉が出るのは去年からたいへん遅くなりました。いつもは七月頃に出てくるんですけれど、去年は十月になってやっと出て来たので、変だ変だと思っ....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
僕の腹の中にいつの頃からか変な虫が巣を喰っている。十一月頃からこの虫が腹の中で暴れて、雪が食いたい、雪が食いたいとがなりたてる。そうす....
南地心中」より 著者:泉鏡花
たように悠揚流れる。 電車の塵も冬空です……澄透った空に晃々と太陽が照って、五月頃の潮が押寄せるかと思う人通りの激しい中を、薄い霧一筋、岸から離れて、さながら....
獄中消息」より 著者:大杉栄
許になった。こんどは『帝国文学』と『新天地』とを入れて見てくれ。もしできるなら一月頃からのが欲しい。 抱月の近代文学研究が出たら買ってくれ。文芸百科全書はいず....
夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
弱い為もあったでしょうが蒐集癖は大分薄らいだようです。最後に会ったのはたしか四五月頃でしたか、新橋演舞場の廊下で誰か後から僕の名を呼ぶのでふり返って見ても暫く誰....
良夜」より 著者:饗庭篁村
月日の経つは活字を拾うより速かに、器械の廻るより早し。その年の夏となりしが四五月頃の気候のよき頃はさてありしも、六七月となりては西洋|擬いの外見煉瓦蒸暑きこと....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
、真に尊敬するに余りがある。馬琴が右眼に故障を生じたのは天保四年六十七歳の八、九月頃からであったが、その時はもとより疼痛を伴わなかったのであろう、余り問題としな....
画道と女性」より 著者:上村松園
のところに見えられ、御屏風揮毫の御依頼がありました。それをお受けしたのは昨年の九月頃であったろうか。最初の気持では、今の皇太后陛下が皇后宮に居られた頃に御下命を....
健康と仕事」より 著者:上村松園
て画室の掃除や書籍の持ち運びにも大へん苦しみを感じるようになってしまった。 三月頃から展覧会の出品画制作などで無理をつづけて来て体が疲労していたことはたしかで....
京の夏景色」より 著者:上村松園
はあまり暑いと少々身にこたえて弱ります。 なんといっても気がしまっていいのは十月頃、恰度、きんもくせいが匂うような頃は一番頭がすっきりして身も軽うなる心地がすることです。(談)....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
処の屋敷に住んだところ、半年ばかりというものは不思議な出来事が続け様で、発端は五月頃、庭へ五六輪、菖蒲が咲ていたそうでその花を一朝奇麗にもぎって、戸棚の夜着の中....
雪柳」より 著者:泉鏡花
それは新夫人の、あの縹緻に憚る……麻地野、鹿の子は独り合点か、しぐれといえば、五月頃。さて幾代餅はどこにあろう。卯の花の礼心には、砧まき、紅梅餅、と思っただけで....
今年の抱負」より 著者:大倉燁子
来たためしがない。最初の意気込みが、二月、三月、ともなればそろそろ引込みかけ、四月頃にはすっかりしぼんでしまい、六月の声をきくともう半分は自暴自棄になって、また....