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有する
「有する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
有するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
の一妻多夫も文明国の軽蔑を買っているように。
僕は三人の夫と共に、一人の妻を共
有することに少しも不便を感じていない。他の三人もまた同様であろう。妻はこの四人の....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ック君の強烈なる煙草《たばこ》を愛したる結果、その心霊的空気もまたニコティンを含
有するためなりという。
我ら会員はホップ夫人とともに円卓をめぐりて黙坐《もくざ....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
えたなつかしさは事新しくここに書きたてるまでもない。これらの木橋《もくきょう》を
有する松江に比して、朱塗りの神橋に隣るべく、醜悪なる鉄のつり橋を架けた日光町民の....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
はいずれも拙劣を極めたものだった。
又
わたしは第三者と一人の女を共
有することに不平を持たない。しかし第三者が幸か不幸かこう云う事実を知らずにいる時....
「或る女」より 著者:有島武郎
な極端な神経の混乱、そしてそのあとに続く死滅と同然の倦怠《けんたい》疲労。人間が
有する生命力をどん底からためし試みるそういう虐待が日に二度も三度も繰り返された。....
「二つの道」より 著者:有島武郎
せて一つにすることができるという迷信である。
すべての迷信は信仰以上に執着性を
有するものであるとおり、この迷信も群集心理の機微に触れている。すべての時代を通じ....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
べき文化がプロレタリアによって築かれるものならば、それは純粋にプロレタリア自身が
有する思想と活力とによって築かれねばならぬ。少なくともそういう覚悟をもってその文....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
割して、諸君の私有にするという意味ではないのです。諸君が合同してこの土地全体を共
有するようにお願いするのです。誰でも少し物を考える力のある人ならすぐわかることだ....
「星座」より 著者:有島武郎
本に来ている蓄音機は簡単な機械であるために、勢い蓄音機の方の改造は諦めて、それが
有する速さに応じて写真機の方の速度を調節するように研究せねばならなかった。これな....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。又他のいかなる威力も私からそれを奪い取ることは出来ない。これこそは私の存在が所
有する唯一つの所有だ。 恐るべき永劫が私の周囲にはある。永劫は恐ろしい。或る時....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
だ多かるべきを信ずるものである。 近代の霊媒の中で、モーゼスの如き学者的経歴を
有する者は、殆ど一人もない。彼は一八三九年に生れ、十六歳の時に、ベッドフォードの....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
やりはしない。作の力、生命を掴むばかりでなく、技巧と内容との微妙な関係に一隻眼を
有するものが、始めてほんとうの批評家になれるのだ。江口の批評家としての強味は、こ....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
芸術的並びに道徳的態度を悉理解すること能わず。然れども君の小説戯曲に敬意と愛とを
有することは必しも人後に落ちざるべし。即ち原稿用紙三枚の久保田万太郎論を草する所....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
のとはなんであろう。そのもの自体の中に運動の原動力と、その運動を調節する意志とを
有する、魂があるもの。それは何ものにも係りを持たない。その足と大地との間には何の....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ぞんでいるのが岸内閣の外交政策であります。それは昨年末とくに日米軍事同盟の性格を
有する日米安保条約の改定と強化をし、更に将来はNEATOの体制の強化へと向わんと....