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有り
「有り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
有りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
門《ちかまつもんざえもん》などの名を並べている。こう云う名前もいつの間《ま》にか
有り来りの名前に変ってしまう。のみならずそれ等の標札の向うにかすかに浮んで来る南....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ことと思い返した。お鈴はさりげない顔をしたまま、茶の間の隅に坐《すわ》った親子に
有り合せの菓子や茶などをすすめ、玄鶴の容態を話したり、文太郎の機嫌をとったりし出....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
いません。たちまちの内にあの老爺《おやじ》は、牛の※《はづな》でございましょう、
有り合せた縄にかけられて、月明りの往来へ引き据えられてしまいました。その時の平太....
「或る女」より 著者:有島武郎
いでしょう。それに恥ずかしい事を打ち明けるようだけれども、木村さんにもわたしにも
有り余るようなお金がないものだから、行きも帰りもその船の事務長という大切な役目の....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
社との交渉‥‥そのほか鰊漁の始まる前に漁場の持ち主がしておかなければならない事は
有り余るほどあるのだ。 君は自分が絵に親しむ事を道楽だとは思っていない。いない....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私もその苦痛は持っていた。人の前に私を私以上に立派に見せようとする虚妄な心は
有り余るほど持っていたけれども、そこに埋めることの出来ない苦痛をも全く失ってはい....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
宇宙創造の物語では人格視されており、また語源的にティアマートに相当している。その
有り合わせた材料から神エロヒーム(Elohim)が天と地とを創造した(あるいは、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
家のこと、嫁入りした三浦家のこと、北條との戦闘のこと、落城後の侘住居のことなど、
有りのままにお話ししました。玉依姫様は一々|首肯きながら私の物語に熱心に耳を傾け....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
ないんですもの」 とおかあさんは言いながらひときわあわれにうなだれました。昔は
有り余った財産も今はなけなしになっているのです。 でも子どもが情けなさそうな顔....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
タリアへいきたい――」 いや、うわおいぐつがさっそくしるしをみせてくれたことは
有りがたいことでした。さもないと、じぶんにしても、他人のわたしたちにしても、始末....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
かんよ。一体君は余りアンビシャスだから可かん。何だって真の満足ってものは世の中に
有りやしない。従って何だって飽きる時が来るに定ってらあ。飽きたり、不満足になった....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
明日ダルキ者なり、夜露にかかるは為悪し早く帰られたがよからん」との言に、「御注意
有り難し」と述べて左右に別れたれど予はなお橋の上を去りやらず。この応答に襟懐俗了....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
なことはない、と言った。先生はつい一日二日前に四半年分の給料を受けとったのだが、
有り金はのこらず、失踪のときに身につけていたにちがいなかった。 このふしぎな事....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
た物である。 フレンチは最後の刹那の到来したことを悟った。今こそ全く不可能な、
有りそうにない、嫌な、恐ろしい事が出来しなくてはならないのである。フレンチは目を....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
りと咲き競うは、中稲にやあらん、田家の垣には、萩の花の打ち乱れて、人まち顔なるも
有り、青|無花果の、枝も撓わわに生りたる、糸瓜の蔓の日も漏さぬまでに這い広がり、....