有り合う[語句情報] » 有り合う

「有り合う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

有り合うの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
かさんばかりに驚いたらしく思わず―― 「ム――ム。悪魔……」 と叫びましたが、有り合う椅子にドッカと腰を下して、眼を閉じ口を一文字に結んでさも口惜《くや》しそ....
名君忠之」より 著者:夢野久作
与一はキッと身を起した。仏壇の折れ障子をピッタリと閉めて、一散に玄関に走り出た。有り合う竹の皮の草履を突かけて出ると、式台の脇柱に繋いだ西村家の赤馬が前掻きする....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
流石はご三家の筆頭だ。どうもお心の広いことだ。ようがす、夫れじゃァ参りやしょう」有り合う布呂敷へ模型を包んだ。「こいつあ殿様へのお土産だ。喜んで下さるに違えねえ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
てある堅固な南京錠を取除きました。それから車仕掛になった頑丈な容器をゴロゴロと、有り合う台の上に引出しましたが、一息吐く間もなく、やおら上半身を傾けまして、全身....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
え立つような湯もじの裾をまくってみたり、女の髪の元結いの結び目を覗きまわったり、有り合う木切れを拾い上げて、女の口をコジあけて、黒血の一パイに溜まっている奥の方....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
かりの丸棒をしのばせていることが分った。 その棒も、そこらの麺棒やしん張棒を、有り合うまま、引っ抱えて来たものとは違い、一種の武器としての光を持っている。――....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
軒先から二間も駈けると、伊織はすぐ前へのめって仆れていた。巌流が土間の中から、有り合う天秤を取って、その脚もとへ投げつけたからであった。 佐兵衛は、若い衆と....
私本太平記」より 著者:吉川英治
たん、蔵王堂へひっ返して、蔵王桜に張りめぐらした大幕の蔭へ入り「別れの宴だ」と、有り合う杯をとって左右の武者と、三|献まで酒をくみ交わした。そのさい武者のひとり....