有る限り[語句情報] » 有る限り

「有る限り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

有る限りの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
巡査辞職」より 著者:夢野久作
村の大工に売払い、数多い雇人《やといにん》をタタキ放し同様にして追出してしまい、有る限りの田畑《でんぱた》をソレゾレ有利な条件で小作に附け、納まりの悪い小作人の....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
豪雨の音、そうしてあらゆる方面に落ち激つ水の音、ひたすら事なかれと祈る人の心を、有る限りの音声をもって脅すかのごとく、豪雨は夜を徹して鳴り通した。 少しも眠れ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
がかえって薄気味悪かった。それは「死ぬのがいやだ」「生きていたい」「生きる余席の有る限りはどうあっても生きなければならぬ」「死にはしないぞ」という本能の論理的結....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
帰りも致そう、生身で一歩《あし》でも後へさがろうか、と罵《ののし》って悪戦苦闘の有る限りを尽した。それで其戦も結局勝利になったため、今度《このたび》の合戦、全く....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、ほぼ全員の中間ぐらいに位していた。ドン尻がキンとトクの女子であった。真珠の数の有る限り、何回でもこの順序で自分の物を選び取ることを繰返すのである。これは畑中の....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
から溢れ出る技術と精神|気魄との作ったものである。作者がしゃにむになって、むしろ有る限りの激情をうちつけに具象化したものと考えられる。あらたかな御像という物凄い....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
像との必要が多かったために、夙く名詞を生じ、またややおくれて形容詞化した。しかも有る限りの人間が、止めどもなくこの一語を使役していたのである。部落が恋愛のただ一....