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「有事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

有事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
M侯爵と写真師」より 著者:菊池寛
りましたね。その時S新聞だったと思いますが、「M侯爵は日本の取って置きの人物だ。有事の日に使用すべき切り札だ。今内閣を組織させるのは惜しい」なんていいましたが、....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
のでした。今更改まって説明する迄もなく、およそ直参旗本の本来なる職分は、天下騒乱有事の際をおもんぱかって備えられた筈のものであるのに、小癪なことにも江戸の天下は....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
ざるが、大義のためには親を滅するつもりじゃ。平生同志として御交際を願っておいて、有事の秋に仲間はずれにされるなど、心外千万でござる。中座など毛頭思い寄らぬ」と、....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
いるが、まぎれもない白人だ。 「驚いたろう。俺は、ここに二十年あまりもいる。万一有事のとき、ナイルの水源を閉塞するためにかくれている。俺はドイツ人でバイエルター....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
阪落城と共にこれを我がものとするや、豊家同様にこの竹流し分銅六百万両を以て、一朝有事の際の貴重なる軍用金として秘蔵せしめ、大阪城を預かる城代に対っても、これを厳....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
々しいそういう文字でした。 只の品ではない。八万騎旗本が本来の面目使命は、一朝有事の際に、上将軍家のお旗本を守り固めるのがその本務です。井伊、本多、酒井、榊原....
謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
忠臣は孝子の門に出ずで、忠孝もと一途である。孔子は孝について何といったか。色難。有事弟子服其労、有酒食先生饌、曾以是為孝乎。行儀の好いのが孝ではない。また曰うた....
弟子」より 著者:中島敦
でもしたら、奴等はどんなに真蒼《まっさお》な顔をするだろう。何といってもいったん有事の際に、実際に夫子の役に立ち得るのはおれなのだ。才弁縦横の若い二人を前にして....
軍用鼠」より 著者:海野十三
だ携帯に便である。兵士の両ポケットに四匹や五匹入れて行ける。これを訓練して、一旦有事のときに使うときは、その偉力は実に素晴らしいものである。ただ一つ、鼠の欠点は....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
タミア油田下へも、なんとか手段を尽せばゆけないものでもない。 そうだ。故国一朝有事の際の、破天荒な電撃――。一隻の潜水艦、十人の挺身隊。もし覗き穴さえわかれば....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 「仏頂寺と一緒に、うろついて来たよ」 「君も無事で――」 「無事であろうと、有事であろうと、そんなことはいいじゃないか」 「なんにしても意外だ――しかし、何....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
然として旧態を存しているのだからノー」 七十五 かように天下有事、幕政維持か、王政復古かの瀬戸際――それに外国の難題が、攘夷《じょうい》か開....
新疆所感」より 著者:日野強
て重要なりとするゆえんを説き、さらに一歩を進めていわく。 吾人は東方における有事の日、その鉄道は、わが辺境を掩護するため、軍事上決してこれを軽忽に付すべから....
いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
男子侮辱に報ゆるに侮辱を以てするは理の当然なりと雖も、苟も陛下の股肱として、一朝有事の秋、云々という式に、その腕力沙汰の如きを一方で吹聴し、一方で申訳的に「反省....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
心し、迂回し得る陣地であった事である。いわゆるマジノ延長線は紙上計画に止まり大体有事の日、工事に取りかかる考えであったが、開戦後は労働力の不足等の関係で大して工....