»
有体
「有体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
有体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
きこく》先生は、たいそう褒《ほ》めてくれましたが、――」
私は正直な煙客翁が、
有体《ありてい》な返事をしはしないかと、内心|冷《ひ》や冷《ひ》やしていました。....
「活人形」より 著者:泉鏡花
しに来た様子だが。……と言いつつ亭主の顔を屹と見れば、鈍や探偵と信じて得右衛門は
有体に、「左様、その通り。実はこれこれの始末にて。と宵よりありし事柄を落も無くい....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
はお極りのお客様が無けりゃ可いが、と朝から父親の精進日ぐらいな気がしているから、
有体の処腹の中じゃお題目だ。 唱えて進ぜなせえは聞えたけれど、お前、言種に事を....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
ければ、強飯を備えた盆も見えぬ。 「可訝いな。」 考えるまでもない、手取り早く
有体に見れば、正にこれ、往来|止。 して見ると、先刻、路を塞いで彳んだ、媼の素....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
けて再び文芸に帰る期が失われたのを遺憾とするものがあった。 が、私の思うままを
有体にいうと、純文芸は鴎外の本領ではない。劇作家または小説家としては縦令第二流を....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
に憐んで生涯面倒を見てやった沼南の美徳に対する感嘆は毫も減ずるものではない。が、
有体にいうと沼南は度量海の如き大人格でも、清濁|併せ呑む大腹中でもなかった。それ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
は余り多くを云わない。唯、文学論としてよりは小生一個の希望――文学に対する註文を
有体に云うと、今日の享楽主義又は耽美主義の底には、沈痛なる人生の叫びを蔵している....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
具象した馬琴|宗の根本経典である。 三 『八犬伝』総括評 だが、
有体に平たくいうと、初めから二十八年と予定して稿を起したのではない。読者の限りな....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の文藻を輝かした。この二篇の著わされたのは全く秋江の熱心なる努力の結果であった。
有体にいうと『其面影』も『平凡』も惰力的労作であった。勿論、何事にも真剣にならず....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
だけで、真に力作して人跡未踏の処女地を立派な沃野長田たらしめたのは坪内君である。
有体にいうと、坪内君の最初の作『書生気質』は傑作でも何でもない。愚作であると公言....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。二人は顔の色を変えてただ溜息をつくばかりであった。 「仕方がない。屋敷へ帰って
有体《ありてい》に申し上げるよりほかはあるまい」 平助はもう度胸を据えて、又蔵....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らばっくれるな。さっき南京玉を見たときに、てめえはどうして顔の色を変えた。さあ、
有体に申し立てろ。手前なんで甚右衛門を殺した。ほかにも同類があるだろう、みんな云....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ながらその水をひと口飲んだ。そうして、板の間に手をついた。 「こうなれば何もかも
有体《ありてい》に申し上げますが、わたくしは決して悪事を働いた覚えはございません....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
共儀、一途ニ御為ヲ存ジ可訴出候ワバ、疑敷心附候|趣、虚実ニ不拘見聞ニ及ビ候|通、
有体ニ訴出ベキ所、上モナク恐多キ儀ヲ、厚ク相聞エ候様|取拵申立候儀ハ、都テ公儀ヲ....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
ると云う騒ぎです、検査官は彼れの首筋を捕えて柔かに引起し今更彼是れ云うても無益だ
有体に白状しろ白状するに越した事は無いと諭しました、彼れは早や魂も抜けた様に成り....