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有卦
「有卦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
有卦の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
の筆を執る事にした、それで何だか卑怯らしい所もあるが、円本出版屋の大広告を載せて
有卦に入る諸新聞、印税を貰って北叟笑む蚊士共、それ等に縁固ある諸雑誌、評論家ばか....
「爛」より 著者:徳田秋声
髷の頭を据えながら、長火鉢の傍から顔を顰めていた。 「奥さん奥さん、今年はあなた
有卦に入っていますよ。」 酒ずきな弁護士は、ぐでぐでに酔っても、まだにちゃにち....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
けたものがない。川向うの上木屋町あたりで若い妓たちが、この門の締まるのを見ると、
有卦に入るといって、欄干にもたれてじっとそれを待っているが、見ているときには締ま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
も、口をつぐんでいると、なお、いい気になったよたとんは、
「ですから、あいつらは
有卦《うけ》に入《い》ってるんでげしてね、祇園島原あたりで、無暗に持てるというか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の狐がみな官位を欲しがるからで、それと人間と一緒になって踊るのは、人間も狐も共に
有卦《うけ》に入ったのだという縁喜のよい解釈であります。今夜はまた昨晩よりは一層....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を背負って、伊丹樽をくわえ込んだようなものだ。 このところ、がんりき、すっかり
有卦《うけ》に入って、天下の福の神に見込まれた、この分じゃ明日の合戦も百戦百勝疑....
「探偵の巻」より 著者:坂口安吾
で二人のもぐりの騎士は、京都くんだりの不良少女からひどく慇懃なもてなしを受けて、
有卦に入つてゐるのであつた。 食堂の親父は珍妙な人物だから、流石に先生は見上げ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
今度なら先口よりも一段と灼《いやちこ》だァ、驚くもんかい。……幸田節三、どうやら
有卦《うけ》に入ったな。じゃ、出かけるか」
といってニヤリと笑った。
笑うの....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ます」 アコ長は、へらへらと笑いだし、 「こいつアいいや。とど助さん、どうやら
有卦《うけ》に入りましたね。これも、ひとえに金比羅さまのご利益」 「いや、まった....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
あやかりてえものでごぜえます。へえい! そんな美的がころげ込んで来るたあ、殿様も
有卦《うけ》に入りましたね」 という大声がして、ぬっと戸口がふさがった。 生....
「迷信解」より 著者:井上円了
に繰りて吉凶を判断することに定めてある。これを孔明の六曜占と名づけておる。また、
有卦無卦ということがある。人の年を繰りて何年より
有卦に入り、何年より無卦に入ると....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
で運んでゆく者には、銭一トつかみずつとらせるぞ」という号令だった。 百姓たちは
有卦に入ったような昂奮の渦をまもなく蟻のような列に変えてえんえんと山路へつづいた....
「魚紋」より 著者:吉川英治
っとして、足を竦めた。 まるで、天から授かり物のような今夜の使の話なのである。
有卦に入るというのはこんなことだろうと独りで悦に入っていたのだ。 所が、もう梯....