有名無実[語句情報] » 有名無実

「有名無実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

有名無実の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
酒中日記」より 著者:国木田独歩
。 その頃学校改築のことで自分はその委員長。自分の外に六名の委員が居ても多くは有名無実で、本気で世話を焼くものは自分の外に升屋の老人ばかり。予算から寄附金のこ....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
しまった。そうして本当の腰弁はその中の最下層に位する事になったので、それ以上のは有名無実の贋腰弁である。甚だしきに到っては奏任以上までが腰弁を僭称しているが、そ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ざいます。」と、早々にその景品を片付けてしまうので、折角いい籤をひき当てても結局有名無実に終ることが多い。それを見越して、たくさんの景品のうちにはいかさま物もな....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
の衆望は自ら一身に集って来た。柴田を初めとした諸将の代官なぞ、京都に来ているが、有名無実である。更に十月には独力信長の法事を、紫野大徳寺に行った。柴田等にも参列....
純粋小説論」より 著者:横光利一
の創造である。も早やここに来れば、通俗小説とか、純文学とか、これらの馬鹿馬鹿しい有名無実の議論は、万事何事でもない。 しかし、純粋小説に関して、なお細い説明を....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
を巻き起こすべき筈であった学芸自由同盟などは、殆んど何等の業績も残さずに今日では有名無実なものに帰して了ったが、この点日本文芸院側の計画もあまり差違はなかったよ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、からめたりしようという向う見ずは、人民の中にそうたくさんありそうな理窟はない、有名無実な高札だとして、さのみ心に留めてはいませんでした。仏頂寺、丸山の徒ならば....
梟雄」より 著者:坂口安吾
は信長の居候をしていた。 三河には足利将軍家の次の格式をもつ吉良氏が落ちぶれて有名無実の存在となっていた。今川氏の世話をうけていたが、今川よりも一ツ格式は上の....
明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
場合には、その被害者に対して営業者が弁償の責を負うと云う事になったが、それも殆ど有名無実で、所詮は被害者の泣寝入りに終った。それでも湯屋へ美服を着てゆくのは止ま....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
見た目がいかにも寂しいように感じられる虞れがある。それを救うがために、捨役という有名無実のものを作り設けて、一人がいつでも三役か四役かを勤めるように見せかけたの....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
称道を見るに至り俳諧も遂に本来の面目《めんもく》体裁《ていさい》を破却せられ漸く有名無実のものとならんとす。これ現代俳句界の趨勢《すうせい》なり。何を以てか俳句....