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有徳
「有徳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
有徳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
快な苦味は善言の余馨を思わせると言った。蘇東坡は茶の清浄|無垢な力について、真に
有徳の君子のごとく汚すことができないと書いている。仏教徒の間では、道教の教義を多....
「竇氏」より 著者:田中貢太郎
ってまた廷章の家へ往った。廷章は南のそうするのは賤しい身分の者にも隔てをおかない
有徳な人となりの致すところだと思って酷く感激した。 「どうか一度|児に逢ってやっ....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
らなかったが、臙脂屋の内に首が投込まれた。京の公卿方の者で、それは学問諸芸を堺の
有徳の町人の間に日頃教えていた者だったということが知られた。....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
かげで、ついぞ家族を殴打したこともなく、また他の器物を打毀すこともなく温厚篤実な
有徳の紳士として生涯を終ったようである。ところが今の巻煙草では灰皿を叩いても手ご....
「法華僧の怪異」より 著者:田中貢太郎
音に逢った時は、昭和三年で六十位であった。其の名音は、最初|泉の某と云う庵にいて
有徳の住持に事えていた。 名音が尼僧になったのは、中年になってからで、其の動機....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ありません。それじゃあたまりませんや! わたくしは起き上がりたいのでございます。
有徳の神父様がた、わたくしにはあなたがたが、憤慨に耐えんのでございます。いったい....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
道を取らないで、作者は自然を無視した勇壮な心境を提出していた。自然を無視してなら
有徳たることも訳はない。フランスの作家たちは、美徳ということにあまり慣れていない....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ことはりっぱに知っており、また学問としては神を信ずることを知っていた。
かかる
有徳の人が下界にも多くいる。他日彼らは天国に至るであろう。かかる生命は未来を有し....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ひざまずいて手を合わせ、未来が純潔さをもって到来せんことを祈り、何物も民衆の広大
有徳なる進化を乱すものなからんことを祈ったであろう。「善は無垢《むく》ならざるべ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
、そのツナガリを尊敬する義務があると思うのです。一般人は博愛や慈悲に身をささげる
有徳の行者とはちがいます。人間を愛し、生まれたことを愛する表現としては、ツナガリ....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
のように偉くても、たとえば、徳行高い九十歳の文豪であろうとも、世を捨てた九十歳の
有徳の沙門であろうとも、彼の骨にからみついた人間と性慾から脱出して孤独になること....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
なもの、神のようなものについておよそ考えられろかぎりの存在のように見えた。偉大で
有徳な人になることは、心あるものに与えられる最高の名誉のように見えたし、ものの本....
「迷信解」より 著者:井上円了
多くこれに照らして判断することなるが、その第一は歳徳と申すものじゃ。これは年中の
有徳の方角にして、万福のきたり集まる吉方であると申しておる。その方角が年によりて....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
生活がさせたいのです。私はすでに傷ついたところの不幸な魂に深い慰安を与えるような
有徳の君子になりたいのですけれど。 私の姉は一昨日養生に出発しました。どうか少....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
の「善無畏三蔵鈔」において、 日蓮は安房国東条片海の石中の賤民が子なり、威徳なく
有徳の者にあらず。 と云い、「中興入道消息」に、 日蓮は中国都の者にあらず、辺国....