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「有福〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

有福の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
頭《かしら》にして、御召使の男女《なんにょ》が居りますばかり、それに御先代から御有福で、何御不自由もございませんでしたから、自然御美しいのと、御闊達なのとに御任....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
あって親|諸共《もろとも》に浪人して本所業平村に田地《でんじ》を買い、何不足なく有福に暮して居《お》りましたが、父文吾相果てました後《のち》、六十に近い母に孝行....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
節やありけん、 「あ、あ、あ、ひとしきりそんな風説《うわさ》がございましたっけ。有福《かねもち》の夫婦を斬《き》り殺したとかいう……その裁判があるのでございます....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
鹿な話である。 その夜十時頃、大子駅に到着。山間の孤駅であるが一寸《ちょっと》有福《ゆうふく》らしき町である。未醒《みせい》子や吾輩は水戸から加入の三人武者を....
春の鳥」より 著者:国木田独歩
とにしました。 田口というは昔の家老職、城山の下に立派な屋敷を昔のままに構えて有福に暮らしていましたので、この二階を貸し、私を世話してくれたのは少なからぬ好意....
骨董」より 著者:幸田露伴
からと際限なく発行されるのではないから、不換紙幣は長くその価値を保った。各大名や有福町人の蔵の中に収まりかえっていた。考えて見れば黄金や宝石だって人生に取って真....
風流仏」より 著者:幸田露伴
望ある身の、何として今から妻など持べき、殊にお辰は叔父さえなくば大尽にも望まれて有福に世を送るべし、人は人、我は我の思わくありと決定し、置手紙にお辰|宛て少許の....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
云うお寺があるんだ、其処にもと九段坂上に居た久留島修理さまてえ方が田地を買って、有福に隠居をなすって在らっしゃる。其処にね橋本さん貴方が伊香保で世話アして上げた....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
違います。大分貯えも有りまして、白金台町へ地面を有ちまして、庭なども結構にして、有福に暮して居りました。眞葛周玄と云う医者を連れて、丁度十月十二日池上のお籠りで....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
の黒紋付き、それで端然と坐っている様子は、安く踏んでも大旗本である。品位と貫禄と有福と、智恵と人情とを円満に備えた、立派な武士ということが出来る。 だが一つだ....
山の湯の旅」より 著者:上村松園
です」などと教えてくれました。 この男は土地の百姓には違いないのですが、かなり有福に暮らしていて、何も馬方などをしなくても生活してゆける身分だそうですが、生活....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
た闘士でもあった。が、沼南の清節は※袍弊袴で怒号した田中正造の操守と違ってかなり有福な贅沢な清貧であった。沼南社長時代の毎日新聞社員は貧乏が通り相場である新聞記....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
数日間は花嫁の朋友下女などが花聟の家に止って居るのが例になって居る。 もっとも有福者は花嫁の家から一生使うべき小間使を添えて来るのが大抵通常である。これで全く....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ゃ驚いた。逃げよう逃げよう。」 向うでも流石にすぐに引っ込んだが、後できけば、有福ななにがしの子爵とやらであった。 二階の客も逃げたらしい。小田原旧城の倒れ....
春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
しては教訓談であるが、滑稽味を失わさぬ為に常に何等かの失策を伴わしめて居る。即ち有福者の触込みに莫大な謝金を目算して居たのが口先きばかりに終ったり、清貧に苦しむ....