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「有象無象〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

有象無象の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
もう取りのけられて、見物かってのお許しになっているため、雪にもめげずに押し寄せた有象無象が、押すな押すなの大混雑です。 「ちくしょうッ」 「いてえ!」 「踏んだ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
世帯をお持ちなさいますお祝いだったら、とお源坊が涙ぐんだしおらしさに。お前さん、有象無象が声を納めて、しんみりとしたろうじゃねえか。戦だね。泣くやら、ははははは....
深夜の市長」より 著者:海野十三
がなかった。 お蔭で、埃だらけの遅刻簿を出して貰って、判子をついたが、庶務課の有象無象からいい加減面白い見世物扱いされ、大いに気まりが悪かった。 主任の前へ....
水仙」より 著者:太宰治
、それから中泉のアトリエに通っている若い研究生たち、また草田の家に出入りしている有象無象、寄ってたかって夫人の画を褒めちぎって、あげくの果は夫人の逆上という事に....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
ころのある政宗だ。関白の威勢や、三好秀次や浅野長政や前田利家や徳川家康や、其他の有象無象《うぞうむぞう》等の信書や言語が何を云って来たからと云って、禽《とり》の....
天馬」より 著者:金史良
物で後光さえさしいろいろな役目もあった。けれど今はもうそうではないのである。寧ろ有象無象《うぞうむぞう》神社へ神社へと雲のように押しかけて行く朝鮮人達が憎くてな....
火薬船」より 著者:海野十三
腕を、かるくふりはらって、ぐんぐん前へ出ていく大胆さ。そこで彼は、さっきからこの有象無象とは別行動をとり、ウィンチにもたれて、こっちをじろじろしていた一人の、た....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
の人間には一種特別な性質がある。それは子供の虐待だ。しかも、子供に限るのだ。他の有象無象に対するときは、最も冷酷な虐待者も、博愛心に富み、教養の豊かなヨーロッパ....
勉強記」より 著者:坂口安吾
れるようになってから、夢に天女と契りをむすんで、夢精した。これを弟子に発見されて有象無象にとりかこまれて詰問を受け、聖人でも夢と生理は致し方がないものだとフロイ....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
その他は資本家も政治家も貴族も、ましてボンクラ共は、みんな一まとめにその他大勢の有象無象といふわけで、オヒゲのピンとはねてゐるのが陸軍大将だらう、などゝ俗でない....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
帰らせてくれるように哀願した。そうして、これらの種じゅの感情の上に、この世の中の有象無象が一つの憐れなたましいを墓に追いやるために、こんなにも騒いでいるのかとい....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
居士の盛名は日に月に加わって来た。居士の盛名が強大であるに連れて我らのような有象無象も共に有名になって来た。それが相当に勉強して有名になるならば不思議はない....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
出来する。私がこのままで我を通せば、餓鬼、畜生と言われても、明日の舞台は天人だ。有象無象が現われて、そいつにかかずらうようになると、見た目は天人でも芸は餓鬼だよ....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
類眷属族合して十一万三千三百余というのであるから、後世にその名は伝えられずとも、有象無象の天狗達の各地に多かったことは言うまでもない。 護法としての天狗達は、....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
をつぶやいて、くすぐったいような微笑を浮べ、 「いま北海道だけでも、何万人という有象無象が山々へ探鉱に入っているそうだ」 と、附け加えた。(昭和十四年四月)....