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有閑階級
「有閑階級〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
有閑階級の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黄村先生言行録」より 著者:太宰治
《とうへんぼく》め。ばかばかしいのを通り越して腹が立ちます。」 「これは弱った。
有閑階級に対する鬱憤《うっぷん》積怨《せきえん》というやつだ。なんとか事態をまる....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
相撲でしたから、その醜男と美男子の取り組みという珍奇な手合わせが、珍しもの好きな
有閑階級の大名旗本たちに刺激となったとみえまして、始まらぬまえからもうたいへんな....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
わ」 兄は毎日を家の中に居て、別にすることなく暮していました。言わば、典型的な
有閑階級に属する人間でした。そういう種類の人間は必ず何か趣味を持っているものなの....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
、明日から自活するんだ。去年の夏休みの直前から、僕の覚悟は出来ていたんだ。もう、
有閑階級はいやだ。その
有閑階級にぺったり寄食していた僕はまあ、なんてみじめな野郎....
「指」より 著者:佐左木俊郎
きるままに快楽を忘れることは出来なかった。日常の生活の上ではなんの心配もいらない
有閑階級の、没落の途上で想像を許された唯一の快楽のために、彼女は、すっぽんの首を....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
ほうへ下がるであろう。 連句はその末流の廃頽期に当たって当時のプチブルジョア的
有閑階級の玩弄物となったために、そういうものとしてしか現代人の目には映らないこと....
「婦人作家」より 著者:宮本百合子
女主人公葉子をとらえるまで前進した。しかし「或る女」において女主人公葉子は自分を
有閑階級の腐敗に寄生する苦悩から救い出す社会的モメントを最後までとらえることがで....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
も生じなければ又その気にもなれない、ということも同様に本当なのだ。 一般に暇な
有閑階級の余暇というのは、実際生活の必要性を感じない瞬間ということで、この瞬間に....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
がかい》と一口にいうが、その折|悲惨《みじめ》だったのは、重に士族とそれに属した
有閑階級で、町人――商人や職人はさほどの打撃はなかった。扶持《ふち》に離れた士族....
「推理小説論」より 著者:坂口安吾
選手など有名人ばかりで、無産者が殺されるというような例は少い。そこで、推理小説は
有閑階級の玩弄物にすぎないなどというのは一知半解の見解で、だいたい犯罪の動機は色....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
るとすれば(それは、そういうことはないと思いますが)そういうことはつまり、諸君は
有閑階級であるというふうにばかりものをいう人が、そういうことをいうのでありますが....
「科学批判の課題」より 著者:三木清
のごとき人間解釈は、社会的に観察すれば、奴隷制度によって維持されていたギリシアの
有閑階級生活の表現にほかならないであろう。アリストテレスは、プラトンも同じく、閑....
「『青丘雑記』を読む」より 著者:和辻哲郎
だされると思う。 観照もまた一つの態度としては実践に属する。それは時にあるいは
有閑階級にのみ可能な非実践の実践として、すなわち搾取者の奢侈として特性づけられ得....
「山の人生」より 著者:柳田国男
これを解説するのが普通であった。気味の悪くないこともあるまいが、彼らは元来が真の
有閑階級だから、じつははっきりとした趣意もなく、ただ眺めていた場合もあったかも知....