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朗
「朗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ら己でも閉口するはずだ。」
馬琴は苦笑しながら、高い空を仰いだ。その空からは、
朗かな鳶《とび》の声が、日の光とともに、雨のごとく落ちて来る。彼は今まで沈んでい....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
た。しかしその男は私の冷淡な言葉にもめげないで、もう一度額を畳につけると、相不変
朗読《あいかわらずろうどく》でもしそうな調子で、
「申し遅れましたが、私《わたく....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
形の見えぬものが蟠《わだか》まったと思うばかりで、晴れ渡った空の色さえ、元の通り
朗かに見透かされたのでございます。
御庭をめぐっていた人々は、いずれもこの雲気....
「河童」より 著者:芥川竜之介
はこの倶楽部《クラブ》の給仕です。給仕はゲエルにお時宜《じぎ》をした後《のち》、
朗読でもするようにこう言いました。
「お宅のお隣に火事がございます。」
「火――....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、白い鉢巻をした男が、長い抜き身を振りまわしていた。そうして楽屋《がくや》からは
朗々と、「踏み破る千山万岳の煙」とか云う、詩をうたう声が起っていた。お蓮にはその....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
大病なのでございますが……」
女はちょいと云い澱《よど》んだ後《のち》、今度は
朗読でもするようにすらすら用向きを話し出した。新之丞は今年十五歳になる。それが今....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
眼とも違う。聡明な、それでいてやさしみのある、始終何かに微笑を送っているような、
朗然《ろうぜん》とした眼である。本間さんは黙って相手と向い合いながら、この眼と向....
「早春」より 著者:芥川竜之介
のが一番莫迦だね。」
堀川は無造作《むぞうさ》に冷笑した。それからまたたちまち
朗読するようにこんなことをしゃべり出した。
「君はもう帰ってしまう。爬虫類《はち....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
寺《しんぎょうじ》と云う寺がありますが、――いえ、大きな寺じゃありません。ただ日
朗上人《にちろうしょうにん》の御木像があるとか云う、相応《そうおう》に由緒《ゆい....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
つか》まえたのは? 掴まえた時どんなだったか?」
人の好《い》い田口一等卒は、
朗読的にしゃべり出した。
「私《わたくし》が歩哨《ほしょう》に立っていたのは、こ....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
日本海海戦 僕らは皆日本海海戦の勝敗を日本の一大事と信じていた。が、「今日晴
朗なれども浪高し」の号外は出ても、勝敗は容易にわからなかった。するとある日の午飯....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
遊び、暮には蒼梧。 袖裏の青蛇、胆気粗なり。 三たび岳陽に入れども、人|識らず。
朗吟して、飛過す洞庭湖。 二人を乗せた青竹は、間もなく峨眉山へ舞い下りました。....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
切ない程はっきりと、この光景が焼きつけられた。そうしてそこから、或得体の知れない
朗な心もちが湧き上って来るのを意識した。私は昂然と頭を挙げて、まるで別人を見るよ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ついている野葡萄の実をとってやったり、彼女たちを面白がらせるために墓石の銘を全部
朗唱したり、あるいはまた、彼女らをみんな連れて近所の水車用水池の堤を散歩したりし....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
」の息子木村泰助君の作文だった。「泰ちゃん」は先生の命令を受け、かれ自身の作文を
朗読した。それは恐らくは誰よりも僕を動かさずにはおかなかった。僕は勿論「泰ちゃん....